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チェーンズ・多人数拡張

前回ご紹介したペアーズのソリティア「チェーンズ」ですが、これは私の大好きなゲーム「スパイト&マリス(スキップ・ボー)」から着想を得て創作したオリジナルゲームでした。今回は、それを多人数で遊べるように拡張したルールになります。しかも、1人1デッキのペアーズがあれば原理的に無限の人数で遊べる衝撃のルールです^ ^ 1人1デッキで遊ぶゲームとしては、私の知る限り、R・クニツィア作のトランプゲーム「ポートランド」に続く史上2作目のゲームになるかと思います(真偽のほどは定かではないですが)。

考えてみれば、スパイト&マリスは2人用ゲームだし、そこからのインスパイア作品であるチェーンズが多人数拡張されるのはある意味当然の帰結と言えるかもしれません。しかし私は、多人数化にあたり独特のインタラクションが生じるようルールに工夫を施しました。すなわち、各終端カードに重み付きの点数を与え、それを取り合うゲームに変更したのです。ゲーム中、終端カードに記載の数字ごとに残り枚数を管理し、規定枚数を下回ったら打ち止めになります。つまり早い者勝ちの争奪戦です。これにより、いつでも取れそうな点数の低いカードをいつ取るか見定めつつ、高得点のカードを狙って我慢しなければなりません。しかし我慢し過ぎると遂には一時置き場が一杯になってしまい、高得点のカードがごっそり取れなくなってしまう危険もあります。そのため、まるでチキンゲームのような様相となり、いろんな所から悲鳴が飛んでくることでしょう。ソリティアにはなかった、他プレイヤーとの駆け引きがゲームに立体感を与え、戦略性がより一層増したように感じます。

スパイト&マリスの多人数版とも言える「スキップ・ボー」では極めてナイーブなルール拡張により、3人以上でも遊べるよう改良されていますが、その副作用として、スパイト&マリス独特の意地悪プレイがあまりできなくなってしまいました。そのため、人数が多いほどパーティゲーム的(出たとこ勝負の運ゲー)になってしまったのが残念なところです。一方、「チェーンズ・多人数拡張」では、終端カードの取り合いというある種陣取りゲーム的な要素を盛り込んだため、人数が増えてもそこまで戦略性を損なうことがありません。したがって、初心者とゲーマーが一緒に混ざっても皆でワイワイ楽しめるゲームになっているかと思います。

チェーンズ・多人数拡張の写真その1

上の写真がゲーム序盤のプレイ風景です。場の中央に整列しているのが終端カードになります。これを取り合うのが目的です。ちなみに、ペアーズと違うデッキが一つ混ざっていますが気にしないでください^ ^

チェーンズ・多人数拡張の写真その2

ゲーム中盤の様子。大分終端カードが取られて無くなってきました。既に打ち止めされたカードは裏返しになっています。

それでは以下にルールを挙げておきます。前回ご紹介したソリティアルールとの差分を中心とした記述になっていますので、適宜そちらのルールを参照しつつ読んでください。

【プレイヤー数】
2人以上なら何人でも(ベストは3〜5人)

【ゲームの概要】
ペアーズで遊ぶソリティア「チェーンズ」を多人数で同時対戦できるよう拡張したルール。通常のソリティアルールに加え、得点となる終端カードの取り合いが新たなインタラクションを生み出す。

【使用するコンポーネント】
プレイ人数分のペアーズデッキ(例えば、4人なら4組)。
プレイヤーごとに異なる絵柄のデッキを使用すると混ざらなくて良い。

【ゲームの目的】
10-9-8-7-6…のようにカードを繋いで長さの異なる10種類の組を作っていき、捨て場に移動させることで得点化する。長く繋いだ組ほど点数が高い。全員がどのアクションも実行できなくなるまで手番を回し、最終的に最も得点の高いプレイヤーが勝利する。

【プレイする場の説明】
•終端カード置き場は場の中央に全員で共有し、各プレイヤーで1から10まで昇順に並べた後、きれいに整列させる(前掲の写真を参照)。他の置き場はプレイヤーごとに自分の前の場に設定する。

•一時置き場は5スロット固定(上級ルール無し)。

【ゲームの準備】
•ソリティアルールと同じことを各人で行う。

【ゲームの進め方】
•時計回りの手番制でゲーム進行。スタートプレイヤーはじゃんけんなどで適当に決める。

•自分の手番が来たら、以下の4アクションから1つ選択して実施する。各アクションの詳細はソリティアルールと同じ。

①自分の山札の一番上のカードを1枚めくり、自分の作業場に置く。
②自分の山札の一番上のカードを1枚めくり、自分の一時置き場に置く。
③自分の一時置き場にあるカードを1枚選んで取り、自分の作業場に置く。
④終端カード置き場にある自分のカードを1枚選んで取り、自分の作業場に置く。そして、自分の作業場にある全てのカードを自分の捨て場に移動させる。

•上記のうち②か④を実施したら手番が左隣に移る(①か③の場合は手番継続)。

•終端カード置き場にある10のカードは、他のカードより先に取ってはいけない(終端カード置き場にある1〜9のいずれかのカードを1枚でも取れば、その後は自由に取って良い)。

•終端カード置き場にある同数字のカードについて60%以上のカード(例えば4人プレイなら4枚中3枚)が取られたら、残りのカードは打ち止めとなり、これ以降取れなくなる(残ったカードは裏向きにすること)。ただし例外として、2人プレイの場合は2枚中1枚のカードが取られた時点で打ち止めとする。なお、打ち止め判定は1〜10のそれぞれの数字ごとに別々に行われる。
[参考]人数別早見表。下記の枚数が取られたら打ち止め。
2人: 1枚
3人: 2枚
4人: 3枚
5人: 3枚
6人: 4枚
7人: 5枚
8人: 5枚
9人: 6枚
10人: 6枚

•作業場にあるカードがもう得点化できないことが確定した場合、直ちに作業場のカードを全てまとめて裏に向け、捨て場の隣に移動させる(このカードは点数にならない)。次の手番では、作業場が空の状態でゲームを続ける。

•これ以上アクションを実行できないか、または得点化できる終端カードが無くなったプレイヤーは直ちにゲームから抜け、残ったプレイヤーでゲームを続ける。

【ゲームの終了】
プレイヤー全員がこれ以上アクションを実行できなくなったら終了。

【点数計算】
•自分の捨て場にある終端カードの枚数を数えて点数を集計する。終端カードの種類により、1枚あたり以下のような点数が加算される。
1: 5点
2,3,4: 3点
5,6,7: 2点
8,9,10: 1点
[例]Aさんはゲーム終了までに終端カード1と4と8と9を自分の捨て場に移動させていた。この場合、Aさんは5+3+1+1=10点を獲得する。

【勝敗の決定】
•合計点が最も大きいプレイヤーが勝利する。同点の場合は、取れなかった終端カードのうち最も数字が小さいカードを比べ、より数字が大きいプレイヤーが勝利。それも同点なら、該当プレイヤー同士で勝利を分かち合う(パーフェクトが複数人いた場合も同様)。

チェーンズ 〜(実は)ペアーズ・ルールデザインコンテストに応募してました〜

昨年いくつかのゲームコンペに応募していたのですが、一つご報告をしていなかったものがありました。それは、テンデイズ・ゲームズ主催の「ペアーズ・ルールデザインコンテスト」です。2016年5月、6月、7月と3期にわたる公募が行われ、かなりの応募作が集まったそうです。私は入選作が決まった後に(たとえ落選したとしても)、応募したゲームを公開しようかと思っていました。ところが、待てど暮らせど私の作品は審査されず、徒らに日が経ってしまいました。そして、2017年4月現在も未審査の状況。。(ー ー; 今から思うと、この処遇も仕方なかったことなのかもしれません。なぜなら、他の応募作に埋もれないために徹底してヒネくれた作品を応募したからでした。

まず、多くの応募作が複数人数向けであろうことを想定し、あえてプレイヤー人数を1人専用としました。トランプで言う“ソリティア”です。今回のコンペでは多種多様なルールが複数採用される可能性が高く、ソリティアならまずかぶらないから採用され易いだろうという考えでした。また、今回のコンペでは、

「カードを引いたり、めくったり、出すことによって二枚一組のペアができる」という要素と、それに伴うゲームとしての展開を必ず含めてください。

という制約条件がありました。しかしここで、私は「ペア」という概念を意図的に拡大解釈しました。すなわち、「数字が1つ違いの2枚組」も広義のペアと見なしたのです。ソリティアはともかく、この逸脱はレギュレーションの点でアウトになる可能性が十分ありました。しかし私は、作品のユニーク性を担保するために、あえてこれを断行しました。いやぁ、これでは後回しにされて当然ですよねσ^_^;

さて、ゲームの概要は、山札から1枚ずつドローして、数字1つ違いのペアで繋いだカードの組み合わせ(ラミー系のゲームで「ラン」と呼ばれるもの)10種類を全て作り上げるというシンプルなものです。これが簡単そうに見えてなかなか難しいのです。ひとつ手順を間違えるとそれが後々まで響き、遂にはゲームが詰んでしまいます。一時置き場への配置方法をうまく考えることと、適切なタイミングでランを確定させることが勝利ポイントとなるでしょう。中盤以降はかなり苦しい戦いを強いられますが、あるところで一気に問題解決されて楽になる時もあります。この時の気持ち良さは筆舌に尽くし難いものがあります(例えるなら、便秘が解消された時のあの感じ?)。そして、全てのカードが片付いた時の“やり切った感”もまた格別です。

既に定番化したソリティアの名作「シェフィ」のように、広く愛されるゲームにならんことを願います。

【タイトル】
チェーンズ

【プレイヤー数】
1人

【ゲームの概要】
ペアーズで遊ぶソリティアです。山札から1枚ずつドローして、数字1つ違いのペアで繋いだカードの組み合わせ(ラミー系のゲームで「ラン」と呼ばれるもの)10種類を全て作り上げることを目指します。

【使用するコンポーネント】
ペアーズデッキ1組

【プレイする場の説明】
チェーンズの図


上図のような場をテーブル上に設定してプレイします(上図は初級モードでのプレイ途中の様子です)。
•終端カード置き場: 終端カード(後述)が置かれる場所です。
•山札置き場: 山札が置かれる場所です。
•作業場: カードを繋いで組を作る作業を行う場所です。作業場は1スロットしか用意されません。
•一時置き場: 作業場に置けないカードを一時的にストックしておく場所です。モードの種類により以下のような数の置き場所が用意されます。
 初級モード → 5スロット
 上級モード → 4スロット

•捨て場:出来上がったカードの組を捨てる場所です。

【ゲームの目的】
10-9-8-7-6…のようにカードを繋いで長さの異なる10種類の組を作っていき、山札のカードと終端カードを全て捨て場に移動させることを目指します。

【ゲームの準備】
•ペアーズのデッキから1〜10のカードをそれぞれ1枚ずつ取り出し、全て終端カード置き場に表向きに並べて置きます(これらを終端カードと呼びます)。終端カードはカードの繋がりの終端として用います。
•残り45枚のカードをよくシャッフルし、裏向きに重ねて山札置き場に置きます。

【ゲームの進め方】
•以下の3種類のアクションのいずれか1つを選択し、実行します。それ以降も同様にこの選択、実行を繰り返します。

①山札の一番上のカードを1枚めくり、作業場もしくは一時置き場に置く。
作業場に置く場合は、既に置かれているカードの上に重ねて置きます(何も置かれていない場合は新たに置きます)。ただし、既に置かれている一番上のカードの数字より1だけ小さいカードしか置けません。また、何も置かれていない場合は10のカードしか置けません。
一時置き場に置く場合は、既に置かれているカードの上に、縦に少しずらして置きます(下のカードの数字が見えるようにします)。その際、既に置かれているカードの数字に関係なく、どの数字のカードも置くことができます。もし未使用のスロットがあれば、新たにその場所に置いても構いません。ただし、一時置き場のスロット数を超えて新たな場所に置くことはできません。

②一時置き場にあるカードを1枚選んで取り、作業場に置く。
ただし、作業場には既に置かれている一番上のカードの数字より1だけ小さいカードしか置けません。また、何も置かれていない場合は10のカードしか置けません。また、一時置き場から取ることができるカードは、各スロットの一番上のカードのみとなります。

③終端カード置き場にあるカードを1枚選んで取り、作業場に置く。そして、作業場にある全てのカードを捨て場に移動させる。
ただし、作業場には既に置かれている一番上のカードの数字より1だけ小さいカードしか置けません。また、何も置かれていない場合は10のカードしか置けません。一方、終端カード置き場からはいずれのカードも自由に取ることができます。
カードを捨て場に移動できるアクションは③だけであることにご注意ください。

【ゲームの終了】
山札が全て尽き、これ以上アクションを実行できなくなったら終了です。

【勝敗の決定】
ゲーム終了時、全てのカードが捨て場に移動していたら、あなたの勝ちです。そうでない場合は、終端カード置き場に残った終端カードの枚数だけ失点となります(カードの数字は関係ありません)。もし勝てないことが途中で分かっても、失点が最小限になるよう最後まで頑張りましょう。

ドミヌクセン

ドミヌクセン

私は今までドミノのゲームに全く触れてこなかったのですが、昨年ついにW12ドミノを購入しました。メキシカントレインというゲームがやってみたくて取り寄せたのです。しかし、ちょっと運要素が強過ぎたのか、うちのメンツにはややイマイチな反応でした。それ以来、ずっと押入れの中に埋もれていたのですが、折角買ったこのコンポーネント、何か別のゲームでも遊びたいなと思いました。ドミノはもともと汎用コンポーネントなため、遊び方はかなりあるだろうと思っていました。しかし調べてみるとW6やW9用のドミノゲームが大半を占めており、W12を使うゲームはほとんど皆無という状況だったのです。無駄に多くてかさばるW12ドミノの入ったブリキ缶を抱え、さてどうしたものかと遠い目をしていたところ、突如一つのアイデアが降りてきました。「ドミノでアブルクセンやったら面白いんじゃない?」

アブルクセンは2014年に発表された、比較的新しいゲームです。トランプの大富豪に似ていますが、そこにドイツゲーム風の味付けがされており、非常に奥深く、戦略的にも楽しめるゲームになっています。作者はクラマー&キースリング。同作者の6ニムトに続く超名作カードゲームとして今もかなりの人気を博しています。実は、アブルクセンとW12ドミノはカード構成がかなり似ているのです。アブルクセンは1〜13の13種類の数字が書かれたカードなのに対し、W12ドミノは0〜12の13種類の数字が書かれた牌で構成されています。アブルクセンでは同じ数字を沢山集めてまとめて出すのがメイン戦略なのですが、W12ドミノも同じ数字が付いた複数の牌があるため、カードの代わりにドミノを使って同じように遊んでもうまく機能しそうです。そう考えて試したところ、アブルクセンとはまた違った味わいがあり、非常に楽しめました。アブルクセンと違って一つの牌に数字が2種類ついているので、一つの牌について2通りの使い方ができるわけで、どちらの数字として使うか、そこでちょっとしたジレンマが生まれます。また、一気に12枚出しなどアブルクセンでは絶対起きないような派手な展開も場を盛り上げてくれます。

ルール的にも、ほぼアブルクセンのままでいけます。最初の手牌13枚、場にオープンにする牌6枚もそのままの数で大丈夫です。手牌から自分の場にプレイする際は、同じ数字を全て自分から遠い方に向けて揃えて出すようにします。そして、スナッチ(攻撃)はプレイヤーから遠い方の数字が常に対象となり、プレイヤーから近い方の数字は全て無視されます。

一つだけバランス調整のため加えたのが、「0の数字は1から11までのどの数字よりも弱いが、12に対してだけ例外的に0の方が強い」というルールです。これがあることによって、12が常に最強というわけではなくなるため、12のセットを出しても油断できなくなります(本家アブルクセンではワイルドカードのXを13より強い数字としても使えるようにすることでバランスをとっているようです)。

運要素強めの伝統ゲームが割と多いドミノゲームの中で、「ドミノ」×「アブルクセン」=「ドミヌクセン」は貴重な戦略ゲームとして独自の存在感を示すやもしれません。W12ドミノをお持ちの方は(というか、W12ドミノ持ってる人自体少なそうですが)、是非遊んでみてくださいね。

以下にルールの詳細をまとめますが、本家ルールとの差分を中心に説明します。本家ルールの和訳はまだWebにも出回っていないようなので、たっくんのボードゲーム日記など、分かり易いレビューサイトで確認すると良いでしょう。また、慣れてきたら一緒に掲載した選択ルールを加えるとよりドミノらしさが出て楽しさが増します。冒頭の写真は選択ルール付きでのプレイ風景です。

【ゲームの概要/目的】
ドミノで遊ぶアブルクセン。本家のアブルクセンにほぼ準拠したルールで、ドミノ牌ならではの派手な展開が楽しめる。

【使用するコンポーネント】
•W12ドミノ1セット

【プレイ人数】
3〜4人(5人は枚数的にちょっと厳しい…)

【ゲームの準備】
•本家ルールと同様、手牌13枚を配り、場の中央に6枚オープンにし、残りを裏向きにまとめて場の中央に置く。

【遊び方】
•ゲームの流れは本家ルールと同じ。ただし、牌に振られている2種類の数字はどちらを使っても良い(もう一方の数字は無視される)。
•手牌から自分の場にプレイする際は、同じ数字を全て自分から遠い方に向けて揃えて置くようにすること。自分の場に前回プレイした牌が残っている場合は、その前(プレイヤーから遠い方)に順番に並べて置いていくこと。スナッチ(攻撃)は自分から一番遠いセットが対象となる。
•1枚で出す場合も、プレイしたい方の数字を自分から遠い方に向けて置くこと。
•スナッチ(攻撃)はプレイヤーから遠い方の数字が常に対象となる(プレイヤーから近い方の数字は全て無視)。
•本家ルールと同じく、数字が大きいほど強い。ただし、12に対してだけ例外的に0の方が強い。
•ワイルドカードは無し。

【点数計算】
•本家ルールと同じ(自分の場にある牌は1枚あたりプラス1点。自分の手札に残った牌は1枚あたりマイナス1点)。

【ゲームの終了】
•本家ルールと同じ(誰か一人の手牌が無くなるか、場の中央にある牌が全て無くなったら即終了)。

【選択ルール】
•ダブル牌(0-0、1-1など、同じ数字が振られた牌)は1枚で2枚分として自分の場にプレイできる(他の牌に対し垂直に置くと区別し易い)。他の牌と同じく、1枚で1枚分として出しても良い。
•ダブル牌がスナッチされた場合、補充するのはダブル牌1枚あたり1枚で良い(2枚取る必要はない)。
•点数計算時はダブル牌1枚あたり2点と数える(手牌に残った場合はマイナス2点)。

アルセーヌ 〜Trick Taking Partyゲーム賞に応募しました〜

昨今、アナログゲームのコンペが大変な活況を呈しています。トリックテイキングオンリーのゲームコンペであるTrick Taking Partyゲーム賞も、主催者の予想を大きく上回る応募数(68作品!)を記録したようです。実は私もこのコンペに応募した一人なのですが、まさかこんなに大規模かつ熾烈なコンペになるとは想像もつきませんでしたσ^_^; 軽い気持ちで応募した私は、もはや賞の獲得を半分あきらめ、今はこのお祭りを楽しむことに徹したい気持ちです。

そんな思いもあり、本当は自分のブログでルール公開までは考えていなかったのですが、緊急アップすることに致しました。ゲーム内容についてもいろいろ書きたいところですが、まずは取り急ぎルールのみ公開いたします。トランプ1組とチップがあればどなたでも遊ぶことができますので、是非とも他の応募作品と一緒に遊んでみていただければと思います!

【タイトル】
アルセーヌ

【プレイ人数】
4人

【プレイ時間】
約30分

【ストーリー】
プレイヤーは名だたる宝石店を狙う泥棒となり、ライバルと盗みの腕を競い合います。誰か一人がポリスに捕まるまでに最も多くの宝石を獲得したプレイヤーが、伝説の怪盗“アルセーヌ・L"の名を継承できるのです。

【ゲームの概要】
シンプルなノンビッド系のトリックテイキングゲームです。宝石店を模した5枚のダイヤ札の上にあるチップを取り合います。1ディールで獲得したトリック数に対応する宝石店からチップを盗むことができます。ただし、同じ宝石店に複数人が一度に盗みに入った場合はお見合いとなり、どのプレイヤーもチップを獲得できません。また、チップが枯れてしまった宝石店にはチップの代わりにポリスが待ち受けています。そこに盗みに入ったプレイヤーはたちまち捕まり、所持チップを全て没収された上、ゲームは終了してしまいます。

【使用するコンポーネント】
•トランプ1組(ジョーカーは使用しません)
•小さめのチップ27枚(1円硬貨などで代用も可能です)

【カードの強さ】
•ランクの強さは以下のようになります。

A > K > Q > J > 10 > 9 > 8 > 7 > 6 > 5 > 4 > 3 > 2

【ゲームの準備】
•ジョーカーを抜いた52枚の札を用意します。
•ダイヤのA, ダイヤの2, ダイヤの3, ダイヤの4, ダイヤの5を抜き出し、場の中央に表向きに昇順に並べます(以後はこれらを「宝石店カード」と呼びます)。そして、それらの札の上に以下のようにチップ27枚を配置します。

◇A, 5の宝石店カード→ 各札の上に3チップずつ(1チップ、1チップ、1チップの3グループに分け、1枚の札の上に全グループを乗せる)
◇2, 4の宝石店カード→ 各札の上に6チップずつ(1チップ、2チップ、3チップの3グループに分け、複数チップのグループは積み上げ、1枚の札の上に全グループを乗せる)
◇3の宝石店カード → 札の上に9チップ(1チップ、3チップ、5チップの3グループに分け、複数チップのグループは積み上げ、1枚の札の上に全グループを乗せる)

•適当な方法で最初のディーラーを決めます。

【遊び方】
•ディーラーは宝石店カード以外の47枚の札をよくシャッフルして各プレイヤーに11枚ずつ配ります。残りの3枚の札は裏向きにして場の端に並べます。
•ディーラーの左隣のプレイヤーは、場の端に置かれた裏向きの3枚の札から1枚選択して表に向けます。もしその札が黒色スート(スペードかクラブ)だった場合は、その札を表のままにしておきます。その際はダイヤが切り札となります。一方、もしその札が赤色スート(ハートかダイヤ)だった場合は、その札をまた裏向きに戻します。その際は切り札なしとなります。
※ゲーム中、場の端の3枚の札のうち1枚だけ表向きの場合は“切り札あり”(常にダイヤが切り札)、3枚とも裏向きの場合は“切り札なし”、と目視でチェックできるようになります。

•ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行います。
•以下に示すような、トリックテイキングのルールに従ってプレイします(下記手順4を除き、基本的なマストフォローのルールでゲームが進行します)。

1. 可能ならば、リードされたスートの札を出します。

2. リードされたスートが手札に無ければ、どの札を出しても構いません。

3. リードされたスートのうち、最も強い札を出したプレイヤーがそのトリックに勝ちます。ただし、切り札が出されている場合には、最も強い切り札が勝ちます。

4. 勝ったプレイヤーは、自分でそのトリックを取るか、他人にそのトリックを押しつけるかを選択することができます。ただし、押しつけることができるのは、その時点で自分と同じ数のトリック(0トリックを除く)を獲得している他プレイヤーだけです。該当する他プレイヤーが複数人いる場合は、自分から見て時計回りで順番がより近いプレイヤーのみが対象となります(それ以外のプレイヤーには押しつけることができません)。
例) 時計回りにAさん、Bさん、Cさん、Dさんの順で座っています。それまでの5回のトリックで、Aさんは1トリック、Bさんは2トリック、Cさんは1トリック、Dさんは1トリックを獲得しています。6トリック目でAさんが勝利しました。Aさんは自分でそのトリックを取ることもできますが、あえてCさんにトリックを押しつけることにしました(BさんやDさんに押しつけることはできません)。

5. トリックを獲得したプレイヤーが次のリードを行います。他人にトリックを押しつけた場合は、押しつけられたプレイヤーが次のリードを行います。

•後で獲得トリック数が分かるよう、取った札はその都度裏向きにまとめて一つにし、獲得したプレイヤーの前に並べて置きましょう。
•11回のトリックを取り合い、全員手札を出し切ったら1ディール終了です。

【チップの獲得】
•獲得トリック数と同じランク(Aは1と見なします)の宝石店カードの上にあるチップを以下のルールに基づき獲得します。ただし、同ランクの宝石店に複数のプレイヤーがバッティングした場合は、それら複数のプレイヤーは全員チップを獲得できません。

◇A, 5の宝石店カード → 1チップ獲得。
◇2, 4の宝石店カード → 6チップ残っていれば1チップ獲得。5チップ残っていれば2チップ獲得。3チップ残っていれば3チップ獲得。
◇3の宝石店カード → 9チップ残っていれば1チップ獲得。8チップ残っていれば3チップ獲得。5チップ残っていれば5チップ獲得。
※獲得トリック数が0トリックか、または6トリック以上の場合はチップを獲得できません。

【ゲームの終了】
•次のディールはディーラーを左隣に移して行います。宝石店カード以外の47枚の札を全て集めてシャッフルし、配り直してください。
•ディールを繰り返していくと、宝石店カードの上のチップは徐々に無くなっていきます。
•そのうちに、1チップも残っていない宝石店が現れます。獲得トリック数がその宝石店のランクと同じになってしまったプレイヤーは、所持チップを全て没収されてしまいます(複数のプレイヤーがバッティングした場合でも、それら複数のプレイヤー全員に没収ルールが適用されます)。
•1人以上のプレイヤーが所持チップ没収となったら、直ちにゲームは終了となります(他のプレイヤーはチップの獲得を済ませてください)。終了時に最も多くのチップを獲得したプレイヤーが勝利します。同数の場合は該当プレイヤー同士で勝利を分かち合います。
※特殊ケースとして、4人全員が一度に所持チップを没収された場合に限り、そのディールはノーカウントとし、次のディールを行います。
※特殊ケースその2として、全ての宝石店カード上からチップが無くなってもなお、誰も所持チップを没収されなかった場合はそこでゲーム終了とし、その時点で最も多くのチップを獲得したプレイヤーが勝利します。

【上級ルール】
•基本ルールをある程度遊んだら、以下の上級ルールも試してみてください。よりハードな戦いがあなた達を待っています。
•1箇所以上で1チップも残っていない宝石店が現れたら、その次のディール以降は「争奪モード」に突入します。争奪モードでは以下のようなルールが追加されます。
→同ランクの宝石店に複数のプレイヤーがバッティングした場合は、チップを獲得できないだけでなく、そのプレイヤー同士で所持チップの交換をしなくてはなりません(例えば、2チップ持っていたAさんと4チップ持っていたBさんがバッティングした場合、Aさんの所持チップは4枚になり、Bさんの所持チップは2枚になります)。0トリックでバッティングした場合も同様です。もし3人がバッティングしたならば、その3人の間でそれぞれ左側にいるプレイヤーにチップを渡します。また、ゲーム終了と同じ時点でバッティングが起きた場合も、該当プレイヤーはこの交換をしてから終了になります。

【コラム】ダブリングキューブって他のゲームにも応用可能なんじゃないの?

伝統ゲームとして今も親しまれるバックギャモンのコンポーネントの中に、ルール進化の歴史上とても重要なものがあります。それは「ダブリングキューブ」と呼ばれるものです。ダイスに似た6面体の形状をしており、各面には数字で2、4、8、16、32、64と書かれています。20世紀前半に発明されたこの道具は、それまで衰退の一途をたどっていたバックギャモンを再び近代的なゲームとして蘇らせました。そのポイントは以下の2点にあったと考えられます。

①運任せのダイスロールに人間の意志が介入できる余地を与えた。
②勝負がほぼ決まったラウンドにおいて早めの投了を促し、ゲームのテンポを向上させた。

たった一つの道具が特定のゲームを一気にメジャーなものに押し上げる力を持っていることに驚かされます。しかも、それにより加わるルールはとんでもなくシンプルなのです。

ここで、ダブリングキューブに関する基本ルールを簡単に説明します。プレイヤーは「ダブル(リダブル)」「テイク」「パス」の3種類のアクションを実行することで、一種の競りを行います。すなわち、自分の手番が回ってきたタイミングで自分の勝ちが濃厚と判断したならば、手番のアクションを実行する代わりにダブリングキューブの目を2にして相手に示し、「ダブル」と宣言することができます。これは、「このラウンドによって得られる勝利点を2倍にしませんか?」という、相手プレイヤーへの提案を意味します。ここで、相手プレイヤーはその提案を受けるか否かを選択することになります。提案を受けないならば「パス」を宣言し、現ラウンドをそこで終了させます。その場合、ダブルを宣言したプレイヤーには勝利点1が加算され、新たなラウンドが開始されます。一方、提案を受けるなら「テイク」と宣言し、ダブリングキューブを受け取ってそのままラウンドを継続します。その後、勝利したプレイヤーは勝利点2が加算されます(ギャモン勝ち等の特殊な勝利点変動はここでは省略します)。また、ラウンドが継続された場合、ダブリングキューブのオーナーはその後さらにダブリングキューブの目を倍に増やし、リダブルを宣言することができます。それを相手がテイクすれば勝利点はさらに2倍の4点になるというわけです。このようにしてラウンドの勝利点を釣り上げていき、ゲーム進行の過程で相手プレイヤーの様子を伺うことができるのが特徴です。

さてここからが本題です。このダブリングキューブという道具、バックギャモンに限らず他のゲームでも使えるんじゃないか?と思いました。やっていることは勝利点設定の協議に過ぎないので、非常に汎用性の高いものです。また、手札のある不完全情報ゲームに適用すれば、互いの手札についての読み合い勝負が益々エキサイティングなものになりそうです。そう思っていろいろ調べたのですが、いわゆるドイツゲームではそのようなシステムが明に採用されている例を見つけることができませんでした(一方、トランプゲームでは「ル・トゥルック」など数少ない適用例があります)。そこで、ダブリングキューブとの相性の良いゲームを自分で考えてみることにしました。

2人専用のゲームは、手番制のルールであれば基本的にどのゲームにも適用できます。しかし、1ゲームあたりの所要時間が短い方が、ダブリングキューブでの駆け引きが存分に味わえます。そこでオススメしたいのは、おなじみクニツィアの2人用名作ゲーム「アンギャルド」です。アンギャルドは5点先取で勝利を競うゲームですが、ダブリングキューブを使うなら倍の“10点先取”ルールに変更するのが良いでしょう。通常ゲームの戦略に加え、ハッタリで相手のフォールドを誘う新たな勝ち筋も生まれるため、奥行きがより一層増した感じがします。

3人以上のゲームの場合、さすがに何にでも適用できるわけではありませんが、ある種のゲームには適用可能です。それは脱落系とされるジャンルのゲームです。プレイヤーが順に一人ずつ脱落していき、最後に残った一人が勝利するようなゲームになります。これならば、最終的に1対1の勝負に持ち込まれるのがほとんどなので、途中からダブリングキューブが活用できるようになるでしょう。ここでもやはり1ゲームあたりの所要時間が短い方がより相応しいかと思っています。オススメについては、カナイセイジさんの代表作「ラブレター」なんか如何でしょうか?ダブル宣言はカードプレイの前にしか実施できないので、タイミングを間違えないよう気をつけて下さい。また、山札が無くなっても3人以上のプレイヤーが残ってしまった場合はどうしようもないので、その時は1点勝負で我慢してくださいσ^_^; まぁそういうケースは比較的少ないですから…

歴史的にも価値の高い、人類の偉大なる知恵の結晶を味わい尽くそうではありませんか!
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