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ドミヌクセン

ドミヌクセン

私は今までドミノのゲームに全く触れてこなかったのですが、昨年ついにW12ドミノを購入しました。メキシカントレインというゲームがやってみたくて取り寄せたのです。しかし、ちょっと運要素が強過ぎたのか、うちのメンツにはややイマイチな反応でした。それ以来、ずっと押入れの中に埋もれていたのですが、折角買ったこのコンポーネント、何か別のゲームでも遊びたいなと思いました。ドミノはもともと汎用コンポーネントなため、遊び方はかなりあるだろうと思っていました。しかし調べてみるとW6やW9用のドミノゲームが大半を占めており、W12を使うゲームはほとんど皆無という状況だったのです。無駄に多くてかさばるW12ドミノの入ったブリキ缶を抱え、さてどうしたものかと遠い目をしていたところ、突如一つのアイデアが降りてきました。「ドミノでアブルクセンやったら面白いんじゃない?」

アブルクセンは2014年に発表された、比較的新しいゲームです。トランプの大富豪に似ていますが、そこにドイツゲーム風の味付けがされており、非常に奥深く、戦略的にも楽しめるゲームになっています。作者はクラマー&キースリング。同作者の6ニムトに続く超名作カードゲームとして今もかなりの人気を博しています。実は、アブルクセンとW12ドミノはカード構成がかなり似ているのです。アブルクセンは1〜13の13種類の数字が書かれたカードなのに対し、W12ドミノは0〜12の13種類の数字が書かれた牌で構成されています。アブルクセンでは同じ数字を沢山集めてまとめて出すのがメイン戦略なのですが、W12ドミノも同じ数字が付いた複数の牌があるため、カードの代わりにドミノを使って同じように遊んでもうまく機能しそうです。そう考えて試したところ、アブルクセンとはまた違った味わいがあり、非常に楽しめました。アブルクセンと違って一つの牌に数字が2種類ついているので、一つの牌について2通りの使い方ができるわけで、どちらの数字として使うか、そこでちょっとしたジレンマが生まれます。また、一気に12枚出しなどアブルクセンでは絶対起きないような派手な展開も場を盛り上げてくれます。

ルール的にも、ほぼアブルクセンのままでいけます。最初の手牌13枚、場にオープンにする牌6枚もそのままの数で大丈夫です。手牌から自分の場にプレイする際は、同じ数字を全て自分から遠い方に向けて揃えて出すようにします。そして、スナッチ(攻撃)はプレイヤーから遠い方の数字が常に対象となり、プレイヤーから近い方の数字は全て無視されます。

一つだけバランス調整のため加えたのが、「0の数字は1から11までのどの数字よりも弱いが、12に対してだけ例外的に0の方が強い」というルールです。これがあることによって、12が常に最強というわけではなくなるため、12のセットを出しても油断できなくなります(本家アブルクセンではワイルドカードのXを13より強い数字としても使えるようにすることでバランスをとっているようです)。

運要素強めの伝統ゲームが割と多いドミノゲームの中で、「ドミノ」×「アブルクセン」=「ドミヌクセン」は貴重な戦略ゲームとして独自の存在感を示すやもしれません。W12ドミノをお持ちの方は(というか、W12ドミノ持ってる人自体少なそうですが)、是非遊んでみてくださいね。

以下にルールの詳細をまとめますが、本家ルールとの差分を中心に説明します。本家ルールの和訳はまだWebにも出回っていないようなので、たっくんのボードゲーム日記など、分かり易いレビューサイトで確認すると良いでしょう。また、慣れてきたら一緒に掲載した選択ルールを加えるとよりドミノらしさが出て楽しさが増します。冒頭の写真は選択ルール付きでのプレイ風景です。

【ゲームの概要/目的】
ドミノで遊ぶアブルクセン。本家のアブルクセンにほぼ準拠したルールで、ドミノ牌ならではの派手な展開が楽しめる。

【使用するコンポーネント】
•W12ドミノ1セット

【プレイ人数】
3〜4人(5人は枚数的にちょっと厳しい…)

【ゲームの準備】
•本家ルールと同様、手牌13枚を配り、場の中央に6枚オープンにし、残りを裏向きにまとめて場の中央に置く。

【遊び方】
•ゲームの流れは本家ルールと同じ。ただし、牌に振られている2種類の数字はどちらを使っても良い(もう一方の数字は無視される)。
•手牌から自分の場にプレイする際は、同じ数字を全て自分から遠い方に向けて揃えて置くようにすること。自分の場に前回プレイした牌が残っている場合は、その前(プレイヤーから遠い方)に順番に並べて置いていくこと。スナッチ(攻撃)は自分から一番遠いセットが対象となる。
•1枚で出す場合も、プレイしたい方の数字を自分から遠い方に向けて置くこと。
•スナッチ(攻撃)はプレイヤーから遠い方の数字が常に対象となる(プレイヤーから近い方の数字は全て無視)。
•本家ルールと同じく、数字が大きいほど強い。ただし、12に対してだけ例外的に0の方が強い。
•ワイルドカードは無し。

【点数計算】
•本家ルールと同じ(自分の場にある牌は1枚あたりプラス1点。自分の手札に残った牌は1枚あたりマイナス1点)。

【ゲームの終了】
•本家ルールと同じ(誰か一人の手牌が無くなるか、場の中央にある牌が全て無くなったら即終了)。

【選択ルール】
•ダブル牌(0-0、1-1など、同じ数字が振られた牌)は1枚で2枚分として自分の場にプレイできる(他の牌に対し垂直に置くと区別し易い)。他の牌と同じく、1枚で1枚分として出しても良い。
•ダブル牌がスナッチされた場合、補充するのはダブル牌1枚あたり1枚で良い(2枚取る必要はない)。
•点数計算時はダブル牌1枚あたり2点と数える(手牌に残った場合はマイナス2点)。

アルセーヌ 〜Trick Taking Partyゲーム賞に応募しました〜

昨今、アナログゲームのコンペが大変な活況を呈しています。トリックテイキングオンリーのゲームコンペであるTrick Taking Partyゲーム賞も、主催者の予想を大きく上回る応募数(68作品!)を記録したようです。実は私もこのコンペに応募した一人なのですが、まさかこんなに大規模かつ熾烈なコンペになるとは想像もつきませんでしたσ^_^; 軽い気持ちで応募した私は、もはや賞の獲得を半分あきらめ、今はこのお祭りを楽しむことに徹したい気持ちです。

そんな思いもあり、本当は自分のブログでルール公開までは考えていなかったのですが、緊急アップすることに致しました。ゲーム内容についてもいろいろ書きたいところですが、まずは取り急ぎルールのみ公開いたします。トランプ1組とチップがあればどなたでも遊ぶことができますので、是非とも他の応募作品と一緒に遊んでみていただければと思います!

【タイトル】
アルセーヌ

【プレイ人数】
4人

【プレイ時間】
約30分

【ストーリー】
プレイヤーは名だたる宝石店を狙う泥棒となり、ライバルと盗みの腕を競い合います。誰か一人がポリスに捕まるまでに最も多くの宝石を獲得したプレイヤーが、伝説の怪盗“アルセーヌ・L"の名を継承できるのです。

【ゲームの概要】
シンプルなノンビッド系のトリックテイキングゲームです。宝石店を模した5枚のダイヤ札の上にあるチップを取り合います。1ディールで獲得したトリック数に対応する宝石店からチップを盗むことができます。ただし、同じ宝石店に複数人が一度に盗みに入った場合はお見合いとなり、どのプレイヤーもチップを獲得できません。また、チップが枯れてしまった宝石店にはチップの代わりにポリスが待ち受けています。そこに盗みに入ったプレイヤーはたちまち捕まり、所持チップを全て没収された上、ゲームは終了してしまいます。

【使用するコンポーネント】
•トランプ1組(ジョーカーは使用しません)
•小さめのチップ27枚(1円硬貨などで代用も可能です)

【カードの強さ】
•ランクの強さは以下のようになります。

A > K > Q > J > 10 > 9 > 8 > 7 > 6 > 5 > 4 > 3 > 2

【ゲームの準備】
•ジョーカーを抜いた52枚の札を用意します。
•ダイヤのA, ダイヤの2, ダイヤの3, ダイヤの4, ダイヤの5を抜き出し、場の中央に表向きに昇順に並べます(以後はこれらを「宝石店カード」と呼びます)。そして、それらの札の上に以下のようにチップ27枚を配置します。

◇A, 5の宝石店カード→ 各札の上に3チップずつ(1チップ、1チップ、1チップの3グループに分け、1枚の札の上に全グループを乗せる)
◇2, 4の宝石店カード→ 各札の上に6チップずつ(1チップ、2チップ、3チップの3グループに分け、複数チップのグループは積み上げ、1枚の札の上に全グループを乗せる)
◇3の宝石店カード → 札の上に9チップ(1チップ、3チップ、5チップの3グループに分け、複数チップのグループは積み上げ、1枚の札の上に全グループを乗せる)

•適当な方法で最初のディーラーを決めます。

【遊び方】
•ディーラーは宝石店カード以外の47枚の札をよくシャッフルして各プレイヤーに11枚ずつ配ります。残りの3枚の札は裏向きにして場の端に並べます。
•ディーラーの左隣のプレイヤーは、場の端に置かれた裏向きの3枚の札から1枚選択して表に向けます。もしその札が黒色スート(スペードかクラブ)だった場合は、その札を表のままにしておきます。その際はダイヤが切り札となります。一方、もしその札が赤色スート(ハートかダイヤ)だった場合は、その札をまた裏向きに戻します。その際は切り札なしとなります。
※ゲーム中、場の端の3枚の札のうち1枚だけ表向きの場合は“切り札あり”(常にダイヤが切り札)、3枚とも裏向きの場合は“切り札なし”、と目視でチェックできるようになります。

•ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行います。
•以下に示すような、トリックテイキングのルールに従ってプレイします(下記手順4を除き、基本的なマストフォローのルールでゲームが進行します)。

1. 可能ならば、リードされたスートの札を出します。

2. リードされたスートが手札に無ければ、どの札を出しても構いません。

3. リードされたスートのうち、最も強い札を出したプレイヤーがそのトリックに勝ちます。ただし、切り札が出されている場合には、最も強い切り札が勝ちます。

4. 勝ったプレイヤーは、自分でそのトリックを取るか、他人にそのトリックを押しつけるかを選択することができます。ただし、押しつけることができるのは、その時点で自分と同じ数のトリック(0トリックを除く)を獲得している他プレイヤーだけです。該当する他プレイヤーが複数人いる場合は、自分から見て時計回りで順番がより近いプレイヤーのみが対象となります(それ以外のプレイヤーには押しつけることができません)。
例) 時計回りにAさん、Bさん、Cさん、Dさんの順で座っています。それまでの5回のトリックで、Aさんは1トリック、Bさんは2トリック、Cさんは1トリック、Dさんは1トリックを獲得しています。6トリック目でAさんが勝利しました。Aさんは自分でそのトリックを取ることもできますが、あえてCさんにトリックを押しつけることにしました(BさんやDさんに押しつけることはできません)。

5. トリックを獲得したプレイヤーが次のリードを行います。他人にトリックを押しつけた場合は、押しつけられたプレイヤーが次のリードを行います。

•後で獲得トリック数が分かるよう、取った札はその都度裏向きにまとめて一つにし、獲得したプレイヤーの前に並べて置きましょう。
•11回のトリックを取り合い、全員手札を出し切ったら1ディール終了です。

【チップの獲得】
•獲得トリック数と同じランク(Aは1と見なします)の宝石店カードの上にあるチップを以下のルールに基づき獲得します。ただし、同ランクの宝石店に複数のプレイヤーがバッティングした場合は、それら複数のプレイヤーは全員チップを獲得できません。

◇A, 5の宝石店カード → 1チップ獲得。
◇2, 4の宝石店カード → 6チップ残っていれば1チップ獲得。5チップ残っていれば2チップ獲得。3チップ残っていれば3チップ獲得。
◇3の宝石店カード → 9チップ残っていれば1チップ獲得。8チップ残っていれば3チップ獲得。5チップ残っていれば5チップ獲得。
※獲得トリック数が0トリックか、または6トリック以上の場合はチップを獲得できません。

【ゲームの終了】
•次のディールはディーラーを左隣に移して行います。宝石店カード以外の47枚の札を全て集めてシャッフルし、配り直してください。
•ディールを繰り返していくと、宝石店カードの上のチップは徐々に無くなっていきます。
•そのうちに、1チップも残っていない宝石店が現れます。獲得トリック数がその宝石店のランクと同じになってしまったプレイヤーは、所持チップを全て没収されてしまいます(複数のプレイヤーがバッティングした場合でも、それら複数のプレイヤー全員に没収ルールが適用されます)。
•1人以上のプレイヤーが所持チップ没収となったら、直ちにゲームは終了となります(他のプレイヤーはチップの獲得を済ませてください)。終了時に最も多くのチップを獲得したプレイヤーが勝利します。同数の場合は該当プレイヤー同士で勝利を分かち合います。
※特殊ケースとして、4人全員が一度に所持チップを没収された場合に限り、そのディールはノーカウントとし、次のディールを行います。
※特殊ケースその2として、全ての宝石店カード上からチップが無くなってもなお、誰も所持チップを没収されなかった場合はそこでゲーム終了とし、その時点で最も多くのチップを獲得したプレイヤーが勝利します。

【上級ルール】
•基本ルールをある程度遊んだら、以下の上級ルールも試してみてください。よりハードな戦いがあなた達を待っています。
•1箇所以上で1チップも残っていない宝石店が現れたら、その次のディール以降は「争奪モード」に突入します。争奪モードでは以下のようなルールが追加されます。
→同ランクの宝石店に複数のプレイヤーがバッティングした場合は、チップを獲得できないだけでなく、そのプレイヤー同士で所持チップの交換をしなくてはなりません(例えば、2チップ持っていたAさんと4チップ持っていたBさんがバッティングした場合、Aさんの所持チップは4枚になり、Bさんの所持チップは2枚になります)。0トリックでバッティングした場合も同様です。もし3人がバッティングしたならば、その3人の間でそれぞれ左側にいるプレイヤーにチップを渡します。また、ゲーム終了と同じ時点でバッティングが起きた場合も、該当プレイヤーはこの交換をしてから終了になります。

【コラム】ダブリングキューブって他のゲームにも応用可能なんじゃないの?

伝統ゲームとして今も親しまれるバックギャモンのコンポーネントの中に、ルール進化の歴史上とても重要なものがあります。それは「ダブリングキューブ」と呼ばれるものです。ダイスに似た6面体の形状をしており、各面には数字で2、4、8、16、32、64と書かれています。20世紀前半に発明されたこの道具は、それまで衰退の一途をたどっていたバックギャモンを再び近代的なゲームとして蘇らせました。そのポイントは以下の2点にあったと考えられます。

①運任せのダイスロールに人間の意志が介入できる余地を与えた。
②勝負がほぼ決まったラウンドにおいて早めの投了を促し、ゲームのテンポを向上させた。

たった一つの道具が特定のゲームを一気にメジャーなものに押し上げる力を持っていることに驚かされます。しかも、それにより加わるルールはとんでもなくシンプルなのです。

ここで、ダブリングキューブに関する基本ルールを簡単に説明します。プレイヤーは「ダブル(リダブル)」「テイク」「パス」の3種類のアクションを実行することで、一種の競りを行います。すなわち、自分の手番が回ってきたタイミングで自分の勝ちが濃厚と判断したならば、手番のアクションを実行する代わりにダブリングキューブの目を2にして相手に示し、「ダブル」と宣言することができます。これは、「このラウンドによって得られる勝利点を2倍にしませんか?」という、相手プレイヤーへの提案を意味します。ここで、相手プレイヤーはその提案を受けるか否かを選択することになります。提案を受けないならば「パス」を宣言し、現ラウンドをそこで終了させます。その場合、ダブルを宣言したプレイヤーには勝利点1が加算され、新たなラウンドが開始されます。一方、提案を受けるなら「テイク」と宣言し、ダブリングキューブを受け取ってそのままラウンドを継続します。その後、勝利したプレイヤーは勝利点2が加算されます(ギャモン勝ち等の特殊な勝利点変動はここでは省略します)。また、ラウンドが継続された場合、ダブリングキューブのオーナーはその後さらにダブリングキューブの目を倍に増やし、リダブルを宣言することができます。それを相手がテイクすれば勝利点はさらに2倍の4点になるというわけです。このようにしてラウンドの勝利点を釣り上げていき、ゲーム進行の過程で相手プレイヤーの様子を伺うことができるのが特徴です。

さてここからが本題です。このダブリングキューブという道具、バックギャモンに限らず他のゲームでも使えるんじゃないか?と思いました。やっていることは勝利点設定の協議に過ぎないので、非常に汎用性の高いものです。また、手札のある不完全情報ゲームに適用すれば、互いの手札についての読み合い勝負が益々エキサイティングなものになりそうです。そう思っていろいろ調べたのですが、いわゆるドイツゲームではそのようなシステムが明に採用されている例を見つけることができませんでした(一方、トランプゲームでは「ル・トゥルック」など数少ない適用例があります)。そこで、ダブリングキューブとの相性の良いゲームを自分で考えてみることにしました。

2人専用のゲームは、手番制のルールであれば基本的にどのゲームにも適用できます。しかし、1ゲームあたりの所要時間が短い方が、ダブリングキューブでの駆け引きが存分に味わえます。そこでオススメしたいのは、おなじみクニツィアの2人用名作ゲーム「アンギャルド」です。アンギャルドは5点先取で勝利を競うゲームですが、ダブリングキューブを使うなら倍の“10点先取”ルールに変更するのが良いでしょう。通常ゲームの戦略に加え、ハッタリで相手のフォールドを誘う新たな勝ち筋も生まれるため、奥行きがより一層増した感じがします。

3人以上のゲームの場合、さすがに何にでも適用できるわけではありませんが、ある種のゲームには適用可能です。それは脱落系とされるジャンルのゲームです。プレイヤーが順に一人ずつ脱落していき、最後に残った一人が勝利するようなゲームになります。これならば、最終的に1対1の勝負に持ち込まれるのがほとんどなので、途中からダブリングキューブが活用できるようになるでしょう。ここでもやはり1ゲームあたりの所要時間が短い方がより相応しいかと思っています。オススメについては、カナイセイジさんの代表作「ラブレター」なんか如何でしょうか?ダブル宣言はカードプレイの前にしか実施できないので、タイミングを間違えないよう気をつけて下さい。また、山札が無くなっても3人以上のプレイヤーが残ってしまった場合はどうしようもないので、その時は1点勝負で我慢してくださいσ^_^; まぁそういうケースは比較的少ないですから…

歴史的にも価値の高い、人類の偉大なる知恵の結晶を味わい尽くそうではありませんか!

トリッキーエクスプレス 〜Trick-taking games Advent Calendar 2016に参加しました〜

この記事はTrick-taking games Advent Calendar 2016の12月19日の記事として書かれました。

皆様こんにちは。2016年も残すところ、あと2週間くらいになりましたね。私は今年2月に本ブログをスタートしたのですが、ここまでオリジナルトランプゲーム11作、カード/ボードゲームのヴァリアント5作を創作し、一般公開することができました。来年はさすがにここまでの量は創れないと思うのですが、引き続き、思いつくままに発表していければ良いなと思います。では今年の締めくくりとしてもう1作、トランプのトリテ新作「トリッキーエクスプレス」をご紹介します。

トリックテイキングの妙味は、適度な制約の下、トリックを取るか取らないかを都度判断し手札を調整することで上手く点数を獲得していくプレイの愉しさにあると思っています。そして、得点方式の工夫で多彩なヴァリエーションを生み出せるのがゲーム創作上の魅力です。さて今回の工夫は何かと言いますと、トリックを取るタイミングとその組み合わせに基づいて得点が決まるシステムになります。

ホイストやユーカー、ルーなど、獲得トリック数に応じた得点方式になっているものは沢山ありますが、それらはどのタイミングでトリックを取ってもそのトリックにより得られる点数は同じです。しかも大抵の場合、トリックを取った数が多ければ多いほど点数が高くなる傾向にあります。しかし、このようなゲームで運悪く最初の手札が悪いような場合はもうどうしようもありません。

一方、この「トリッキーエクスプレス」では、トリックを取ったプレイヤーが誰だったかの履歴を全て残していきます。そして、その時系列上で、自分が取った連続2トリック間のすき間が最も大きい所、これが大きければ大きいほど高得点になります。極端な話、最初のトリック(第1トリック)と最後のトリック(第13トリック)の2回だけトリックを取り、あとは全く取らなければ最高得点の11点が入ります。一方、沢山トリックを取ることは、それだけすき間を狭めていくことになるため、得点を高めるのにむしろ不利となるでしょう。このように、ただひたすらトリックを多く取っていけば良いのではなく、少ない獲得トリック数でいかに効率的に大きなすき間を作るか?を考えていく必要があるわけです。

ただし、ノートランプ(切り札無し)なので、ディールの終わり近くではかなりままならなくなってきます。例えば、手札のハイカードをがめつく温存し過ぎたために、最後まですき間を作ることができず1点も取れないといった悲しい結末になることもあるのでご注意を。逆に、読みが当たって大きなすき間を作れた時の達成感は格別です。

また、別の勝ち筋として、ディールごとに徐々に獲得点数(基本点)を高め続けられたら加算される「発展ボーナス」も用意されています。これがあるために、序盤で振るわなくても十分逆転のチャンスはあるので、希望を捨てずに頑張ってください。

ちなみに今回、私にしては珍しくテーマっぽいものを付けてみました。ルール把握を容易にする一助となればと願うのですが、果たしてうまくいったかなぁ。

トリッキーエクスプレス

上図はプレイ中の様子。履歴の記録に「マストフォロー練習トランプ」を利用してます。2組目のトランプで代用も可能なのですが、こちらの方が断然、視認性が良いですね。

【ゲームの概要/目的】
自分だけの特急電車の停車駅を決めていくのがテーマのトリックテイキングゲーム。トリックの勝負が決まるごとに、勝ったプレイヤーは自分の色の駅カードを場の中央に出し、順番に一列に並べていく。そうして出来た共通の路線マップで、できるだけ長い通過駅区間を作ることを目指す。

【プレイ人数】
4人

【使用するコンポーネント】
•トランプ1組(ジョーカーは使用しない)
•マストフォロー練習トランプ1組(なければ、トランプもう1組で代用も可)
•得点記録用のチップ(紙に書いて記録するのでも良い)

【カードの強さ】
A > K > Q > J > 10 > 9 > 8 > 7 > 6 > 5 > 4 > 3 > 2

【ゲームの準備】
•トランプ52枚全ての札を用意する。
•マストフォロー練習トランプ52枚を用意し、スートごとに分け、同スートでまとめられたセット13枚を1セットずつ、各プレイヤーの前の場に裏向きに重ねて置く。以降は、これらを「駅カード」と呼ぶことにする。
•適当な方法でディーラーを決める。

【遊び方】
•ディーラーはトランプの札をよくシャッフルし、全員に13枚ずつ手札として配り切る。
•手札が配られたら、以下の手順で2度カードパスを行う。

1. 手札から一番ランクの高い札を右隣のプレイヤーに裏向きに伏せて渡す。そして、二番目にランクの高い札を左隣のプレイヤーに裏向きに伏せて渡す。その後、両隣から渡された札を取って手札に入れる。
※一番ランクの高い札が2枚以上ある場合は、プレイヤーが任意にその順位を決めて良い。例えば、手札の中で一番ランクの高い札がスペードのAとハートのAとダイヤのAだった場合、その3枚の札のうち1枚を選択して右隣に渡し、残り2枚のうち1枚を選択して左隣に渡す。

2. 手札から任意の1枚を選択し、右隣のプレイヤーに裏向きに伏せて渡す。そして、残りの手札から任意の1枚を選択し、左隣のプレイヤーに裏向きに伏せて渡す。その後、両隣から渡された札を取って手札に入れる。

•その後は以下に示すような、通常のトリックテイキングのルールに従ってプレイする。マストフォロー、切り札なし。オープニングリードはディーラーの左隣のプレイヤーから行うこと。

1. 可能ならば、リードされたスートの札を出す。
2. リードされたスートが手札に無ければ、どの札を出しても良い。
3. リードされたスートのうち、最も強い札を出したプレイヤーがそのトリックに勝つ。
4. トリックに勝ったプレイヤーは、自分の駅カードを自分の色(トランプ代用の場合は自分のスート)が分かるように場の中央に出し、直前のトリックで出された駅カードの隣に一列に並べて置く。これが自分の特急電車の停車駅になる(他のプレイヤーの駅カードは通過駅である)。以降はこの駅カードの列を「路線マップ」と呼ぶことにする。
5. トリックに勝ったプレイヤーが次のリードを行う。

•取った札はその都度裏向きにまとめて一つにし、捨て札にすること。全ての捨て札は、プレイ中にその表面を確認してはならない。
•13トリック行ったら1ディール終了となり、以下の点数計算を行う。

【点数計算】
•出来上がった路線マップに基づき、各プレイヤーは以下の点数を獲得する。

1. 基本点:
各プレイヤーは自分の駅カード配置により出来た通過駅区間(2枚の自分の駅カードの間で、自分の駅カードが1枚も無いような区間)のうち、1番長い区間の通過駅数×1点だけ点数を獲得する。以降はこの区間を「第1ロングパス」と呼ぶことにする。例えば、プレイヤーA, B, C, Dで以下のような路線マップが得られた場合、プレイヤーAは3点、プレイヤーBは4点、プレイヤーCは4点、プレイヤーDは0点の基本点が入る。

C A B A C B D A A C B B B
※左端が第1トリック、右端が最終トリックであるとする。

2. トップボーナス:
第1ロングパスが最も長かったプレイヤーはボーナスとしてさらに2点を獲得する。同じ長さのプレイヤーがいた場合は、第1ロングパスがより後の方のトリックで出来上がったプレイヤーだけにボーナスが入る。例えば、前記のプレイ例ではプレイヤーBとプレイヤーCが同じ長さだが、プレイヤーBの方がより後の方で第1ロングパスを作れているのでプレイヤーBにトップボーナス2点が加算される。

3. セカンドボーナス:
第2ロングパス(自分の駅カード配置により出来た通過駅区間のうち、2番目に長い区間)が最も長かったプレイヤーはボーナスとしてさらに1点を獲得する。同じ長さのプレイヤーがいた場合は、第2ロングパスがより後の方のトリックで出来上がったプレイヤーだけにボーナスが入る。例えば、前記のプレイ例ではプレイヤーAが長さ1、プレイヤーBが長さ2、プレイヤーCが長さ3、プレイヤーDが長さ0なので、プレイヤーCにセカンドボーナス1点が加算される。

4. 発展ボーナス(第4ディールのみ):
第1ディールから第4ディールまでで出来た自分の第1ロングパスの長さを比べ、昇順になっていればそのプレイヤーはボーナスとしてさらに8点を獲得する。例えば、プレイヤーAが第1ディールで長さ0、第2ディールで長さ2、第3ディールで長さ4、第4ディールで長さ7の第1ロングパスを作った場合、プレイヤーAに発展ボーナス8点が加算される。
なお、1回以上、1つ前のディールと同じ長さになった場合は、その回数×1点だけボーナス点から減算される。例えば、プレイヤーBが第1ディールで長さ3、第2ディールで長さ4、第3ディールで長さ4、第4ディールで長さ6の第1ロングパスを作った場合、プレイヤーBに入る発展ボーナスは7点になる。ただし、第1ディールから第4ディールまで全て同じ長さだった場合は昇順と見なさず発展ボーナスは入らない。

•第4ディール終了後の発展ボーナス確認のため、各ディールで獲得した基本点とトップボーナス、セカンドボーナスは別々に記録すること。

【ゲームの終了】
•次のディールはディーラーを左隣に移して行う。自分の駅カードは全て手元に回収し、トランプの札は全て集めてシャッフルすること。
•4ディールプレイしたらゲーム終了。最も点数の高いプレイヤーが勝利。

【コラム】「ゲシェンク」を3倍(くらい)楽しくする方法

さてさて、毎回地味めなゲームを取り上げて読者を完全に置いてけぼりなこのブログ。今回もそのスタイルでやっちゃうよ!しかし今回はいつもほど渋いチョイスではないと思います。そう、定番カードゲームとしてロングセラーとなっている「ゲシェンク」です。私、大好きなんですよ、このゲーム。システムとしてここまで余計なものをそぎ落とし切って、完璧なまでに磨き上げられたゲームを他に知りません。ゲームとして必要な要素の一つである“盛り上がりを創生する仕組み”が、単純極まりないルールに巧妙に仕込まれているのです。そのため、ゲーマー/初心者問わず、一度遊ぶだけでその面白さに気づくことができます。これを実現するのは並大抵のことではありません。7人まで遊べるという使い勝手の良さもニクいですね。多人数で遊ぶ際には、これをまず最初にやって場の雰囲気を暖める、というのが絶対にお勧めです。

ゲームのルールについての紹介はここでは割愛させていただきます(例によって、「ゲシェンク ルール和訳」などで検索すれば見つかるはずです)。今回お話ししたいのは、この傑作ゲームをもっともっと面白くする方法なのです。しかし今回はハウスルールやヴァリアントによるものではありません。この一分の隙もないルールに何か付け加えようなどというのは無粋というものです。付け加えるのはコンポーネントのほんの一工夫になります。ゲシェンクでは、手番が来たら自分のチップを場の中央に1枚ずつ出していきます。しかし、ただ中央のスペースに置いていくより、何かの容器に入れていく方がプレイアビリティが高まります。溜まったチップをいちいちかき集めるのは面倒臭いですからね。ただし、チップが入れば何でも良いわけではありません。沢山のチップがこぼれないで確実に溜まっていくよう、深めの容器が良いですし、どの程度溜まったかある程度確認できるよう、容器側面は透明な素材であった方が良いです。そして、ここが肝心なのですが、チップを投入した時の“音”が心地よいものが良いと思います。コップや空き瓶のようなガラス容器も悪くないのですが、持ち運びでの破損の恐れもあるので、ここはプラスチックの容器が便利でしょう。皆でチャリンチャリンと音を刻むことで、プレイヤー全員で独特のリズムが共有されます。これにより、ゲームへの没入度が一気に増すのです。

さて、ここで私のチョイスしたお勧めの一品をご覧に入れます。
ゲシェンク

キャンドゥで購入した箸入れです。大きさも適当だし、深さが十分ある割には安定性も良く倒れにくい点が優れています。何より、税込108円で手に入るというコストパフォーマンスの良さは最高です。

以前、ストリームス・デラックスの紹介でも述べましたが、コンポーネントを少し変えただけでゲームの面白さに如実に影響するのがとても興味深いところです。アナログゲームは五感で楽しむものだ、というのを再認識させられますね。
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