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ダブルデッキ・ジャーマンホイスト

カードドローのあるトリックテイキングゲームは邪道、と捉える向きが一部のゲーマーの間であるようです。その理由は、おそらくマストフォローのリボーク(反則)監視性が低いためだと思われます。配りきりなら、誰かがマストフォローの縛りを破って別のスートを出した場合、そのプレイヤーの手札はそのスートが枯れたのだと全プレイヤーが判断できます。したがって、もし同じプレイヤーが後から枯れたはずのスートを出せば、その時点で他プレイヤーはリボークを指摘できることになります。ところが、ディールの途中でカードドローして手札が追加されると、枯れたスートが再び手札に追加される可能性が出てきます。そのため、他プレイヤーはリボークの指摘ができなくなってしまう、というわけです。

古くからさまざまな種類のカードドロー型トリテが創作されており、この問題を解決する手段が編み出されています。それらは私の知る限り4種類の手段に分類できます(もしこれら以外の手段をご存知の方がいたら是非教えてください)。

①山札からドローできる時に限りメイフォロー(シュナプセン、66など)
②次にドローできるカードの表面を人数分全て場に公開(WYSIWYGなど)
③ドローしたカードの表面を他プレイヤーに見せてから手札へ(トレセッテなど)
④裏面でスート種別が分かるカードを使用(スキャンなど)

これらの手段はそれぞれに良し悪しがあって、どれが最も優れているか決められるものではありません。むしろ、異なった味わいを楽しめるようになっており、それぞれのゲームの個性を際立たせる結果となっています。そこに着目した私は、上記以外のリボーク監視手段を考えることでゲームを創作する新しいメソッドを試みることにしました。

さて、ジャーマンホイストというシンプルなトリックテイキングゲームがあります。これは簡単に言うと、前半はトリテをしながら手札を構築し、後半はプレーンなトリテで勝負するゲームになります。前半はカードドローがあるため、前述のリボーク監視性の問題があるわけです。しかし、ジャーマンホイストは特にそれを解決する手段を与えておらず、プレイヤー同士の紳士協定に基づきプレイするものとなっています。もちろん、友人同士や親子で遊ぶ分には紳士協定が成り立つ場合が大半なので問題ないとは言えるのですが、例えば競技ゲームにしようと思ったらこの問題は看過できないことでしょう。今回紹介する「ダブルデッキ・ジャーマンホイスト」は、競技にも耐えうる堅牢性を持ったジャーマンホイストの新ヴァリアントと言ってよいと思います。

ポイントは2つあって、一つはペア戦にしたこと、もう一つは右隣の敵プレイヤーの手札を常に見て良いようにしたことです。重要なのでもう一回言います。『右隣の敵プレイヤーの手札を常に見て良いようにした』のです。つまり、思い切って対戦相手の手札の半分を監視できるようにしたわけです。相手プレイヤーのペアが2人がかりで手札を確認してくるので、ズルをすることは不可能になります。なおかつ、個々のプレイヤーは相手ペアの手札のうち半分しか分からないので、不完全情報ゲームとしての面白さと気軽さを維持することも出来ています。まさに「必要は発明の母」(ちょっと言い過ぎ?)。実際にゲームをしてみると、相方のプレイの真意が読み取れるかどうか絶妙のラインで踏み止まっており、これが勝負の分かれ目となっているのがわかります(もちろんプレイ中のコミュニケーションは禁止です)。阿吽の呼吸がうまく決まればガッツポーズ、伝わらないと一転大ピンチです。このあたりがこのゲーム独特の可笑しさに繋がっていると思います。

実は、リボーク監視手段としてはもう一つ、これとは違うものも一緒に考案したのですが、その紹介はまた次回にしましょう(あるのか!?)。

【タイトル】
ダブルデッキ・ジャーマンホイスト

【ゲームの概要/目的】
2人専用のトリックテイキングゲーム「ジャーマンホイスト」を2対2のペア戦に拡張。ペアで協力し、後半でより多くのトリックを取ることを目指す。右隣の敵プレイヤーの手札をいつでも確認できるのが大きな特徴。

【プレイ人数】
4人

【使用するコンポーネント】
•トランプ2組(裏面が同じデザインのものを使用。ジョーカー1枚使用)

【カードの強さ】
A > K > Q > J > 10 > 9 > 8 > 7 > 6 > 5 > 4 > 3 > 2
※同ランクの場合は先出し勝ち。

【ゲームの準備】
•トランプ2組104枚、プラスジョーカー1枚の札を用意する。
•2対2のペアでチームを組んで、対面がパートナーになるように座る。
•適当な方法で最初のディーラーを決める。

【遊び方】
•ジョーカー1枚を取り出し、中央の場に置く。
•ディーラーは残り104枚の札をよくシャッフルし、全員に13枚ずつ手札として配る。
•残り52枚の札を山札として中央の場(ジョーカーの隣)に置く。
•山札の一番上の札を表に向けて山札の上に置く。その札のスートが、このディールの切り札スートになる。なお、表向けた札は切り札表示用に別の場所に移し、代わりにジョーカーを山札の上に置く。以後、ジョーカーは切り札表示札のコピーカード(切り札表示札と同じカードとして利用可能)として使用する。
•次に、山札の上から2枚(先程山札の一番上に置いたジョーカーを含む)を取り、表面を上にして中央の場に並べる。その後さらに山札から2枚取り、今度は裏面を上にして中央の場に並べる。結果として、2枚の公開札と2枚の伏せ札が並べられる。
•ディーラーの左隣のプレイヤーがオープニングリーダーを務める。

以後、各プレイヤーは自分の右隣プレイヤー(敵プレイヤーの一人)の手札の中身をいつでも確認して良い。確認を要求されたプレイヤーは、いかなる場合もそれを拒むことができない。
•ゲーム中、パートナーとプレイの相談してはならない。

•前半13トリックは、以下の手順で行う。

1. 通常のマストフォロー、切り札ありのトリックテイキングをプレイする。つまり、以下のようなルールになる。
a. 可能ならば、リードされたスートの札を出す。
b. リードされたスートが手札に無ければ、どの札を出しても良い。
c. リードされたスートのうち、最も強い札を出したプレイヤーがそのトリックに勝つ。ただし、切り札が出されている場合には、最も強い切り札が勝つ。
d. トリックに勝ったプレイヤーが次のリードを行う。
2. 勝ったプレイヤーは場の中央にある表向きの札2枚のうち、好きな方を1枚選んで手札に加える。場に残った表向きの札1枚は、勝ったプレイヤーのパートナーが取って手札に加える。場に残った裏向きの札2枚は、勝ったプレイヤーが属さない方のチームの2人がそれぞれ1枚ずつ裏向きのまま取って手札に加える。
3. 勝負に使った札は捨て札にし、次のトリックのために山札の上から2枚取って表向けて場の中央に並べ、さらに山札の上から2枚取って裏向けて場の中央に並べる。

•後半13トリックは、以下の手順で行う。

1. 前半と同様、通常のマストフォロー、切り札ありのトリックテイキングをプレイする。ただし、手札の追加は無し。
2. 後で獲得トリック数が分かるよう、トリックに勝って取った札はその都度裏向きにまとめて一つにし、獲得したプレイヤーの前に並べて置く。
3. 手札を使い切ったら点数計算へ。

【点数計算/ゲームの終了】
•後半13トリックで勝ったトリック数がそのまま得点になる。チームごとに勝ったトリック数を合算し、7点以上を獲得したチームが勝利。
•複数ディール行う場合は、先に3回勝利したチームの勝ち。ディーラーは毎ディール左隣に移す。

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