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【コラム】キングドミノのお仕事問題を解消するヴァリアントルール

キングドミノヴァリアント


常に読者の意表を突いてくる地味ゲー・セレクションで定評のある(?)このブログですが、今回はあえてその期待を外し、今一番タイムリーかつメジャーなタイトルをご紹介したいと思います。そうです、2017年のドイツ年間ゲーム大賞を勝ち取った「キングドミノ」です!どうやら大勢の予想通りの結果だったようですが、それだけこのゲームが秀でていたということでしょう。実際私もかなり楽しんでプレイできました。しかし、非常にシンプルなルールのためか、ゲーマー層にはやや物足りなく感じているようです。中でも最も象徴的な問題点としていわゆる“お仕事”をしなくてはならない場面があることが指摘されています。

Table Games in the Worldの記事によると、お仕事とは「やりたくないのに、状況的にトップのプレイヤーを妨害しなければならない一手」を指しているようです。場の雰囲気に強制され、そのような自己犠牲の一手を強いられるようなことがあると言われています。これはキングメーカー問題と並んで厄介なマルチゲーム特有の問題と言えましょう。もちろんこのような一手が結果的に自分の逆転勝利につながることもあるわけなので、一概に否定されるべきものではありません。しかし、このような状況が頻繁に目につくようになると、ゲームをやってても楽しくないと感じてしまいます。特に、トップ以外に2人以上の複数プレイヤーがいるとして、それらのどのプレイヤーがお仕事しても結果は一緒である場合に、では誰がそのお仕事をやるべきかが決まらない状況というのはあり得ます。自己犠牲的な一手ですから、お仕事をしたプレイヤーはトップ争いに多少なりとも遅れをとってしまうでしょう。このような状況は好ましくありませんから、ルールによってその状況をなるべく生まないよう矯正してあげるべきだと思います。

その考え方に基づき、今回はキングドミノのお仕事問題を解消するヴァリアントを考案しました。完全ではないかもしれませんが、テストプレイではかなりの効果が認められたので報告します。本ヴァリアントのキモは、基本ルールであまり使われない2個目のコマの有効活用です。この2個目のコマを他人の王国にある任意の領域に置くことができます。カルカソンヌでミープルを街や草原に置く時のあの感じです。これで、その領域から得られる点数を他プレイヤーも便乗して得られるようになります。この便乗ルールにより、一人のプレイヤーが大量得点を独占するようなことは少なくなるため、結果としてお仕事をしなくてはならない場面が減るというわけです。また、見方を変えればこの便乗もお仕事プレイの一形態と言えますが、自分の不利益となるタイルをあえて取りに行くより明らかに自分の得になっていますから、よっぽど健全です。その代わり、便乗コマは一つながりの領域に対し1個だけしか置けません。つまり他プレイヤーよりも素早く大量得点されそうな領域を察知して押さえてしまう必要があるわけです。しかし早く置きすぎると読みが外れてしょぼい点数しか得られない可能性もありますから、的確な予測が勝負を分けることになるでしょう。

ルールのシンプルさという美点を損ねない程度のヴァリアントで、上級者も満足できる戦略性が追加できたのではないでしょうか?是非一度お試しください。

【キングドミノ 便乗ヴァリアントまとめ】
•本ヴァリアントは3人プレイまたは4人プレイに限る。
•ゲームの準備において、各自の色のコマを2個ずつ持つ。そのうち1個は基本ルール同様、新たなタイルを選択するのに用い、もう1個は他プレイヤーが作っている王国のタイル上に乗せて領域のポイント獲得に便乗するのに用いる(以降は「便乗コマ」と呼ぶ)。
•便乗コマは、手番が自分に回ってきたタイミングで、その都度使うかどうかを決定する。便乗コマを使うならば、手番のアクション実行前に、他プレイヤーが形成している王国のうち同じ地形で一つながりになっている任意の領域に自分の便乗コマを置く。ただし、既に他のプレイヤーに置かれてしまっている領域には置くことができない(一つながりの領域に対し置ける便乗コマは一つだけ)。
•一度置いてしまった便乗コマは他の領域へ移動させたり手元に戻すことはできない。
•自分の王国の領域に自分の便乗コマを置くことはできない。
•ラウンド終了後の点数計算では、自分の王国の領域獲得ポイントとは別に、自分の便乗コマが置かれた他プレイヤーの領域獲得ポイントも加算される(加算されるのは便乗コマが置かれた一つながりの領域のポイントのみ)。

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