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チェーンズ・多人数拡張

前回ご紹介したペアーズのソリティア「チェーンズ」ですが、これは私の大好きなゲーム「スパイト&マリス(スキップ・ボー)」から着想を得て創作したオリジナルゲームでした。今回は、それを多人数で遊べるように拡張したルールになります。しかも、1人1デッキのペアーズがあれば原理的に無限の人数で遊べる衝撃のルールです^ ^ 1人1デッキで遊ぶゲームとしては、私の知る限り、R・クニツィア作のトランプゲーム「ポートランド」に続く史上2作目のゲームになるかと思います(真偽のほどは定かではないですが)。

考えてみれば、スパイト&マリスは2人用ゲームだし、そこからのインスパイア作品であるチェーンズが多人数拡張されるのはある意味当然の帰結と言えるかもしれません。しかし私は、多人数化にあたり独特のインタラクションが生じるようルールに工夫を施しました。すなわち、各終端カードに重み付きの点数を与え、それを取り合うゲームに変更したのです。ゲーム中、終端カードに記載の数字ごとに残り枚数を管理し、規定枚数を下回ったら打ち止めになります。つまり早い者勝ちの争奪戦です。これにより、いつでも取れそうな点数の低いカードをいつ取るか見定めつつ、高得点のカードを狙って我慢しなければなりません。しかし我慢し過ぎると遂には一時置き場が一杯になってしまい、高得点のカードがごっそり取れなくなってしまう危険もあります。そのため、まるでチキンゲームのような様相となり、いろんな所から悲鳴が飛んでくることでしょう。ソリティアにはなかった、他プレイヤーとの駆け引きがゲームに立体感を与え、戦略性がより一層増したように感じます。

スパイト&マリスの多人数版とも言える「スキップ・ボー」では極めてナイーブなルール拡張により、3人以上でも遊べるよう改良されていますが、その副作用として、スパイト&マリス独特の意地悪プレイがあまりできなくなってしまいました。そのため、人数が多いほどパーティゲーム的(出たとこ勝負の運ゲー)になってしまったのが残念なところです。一方、「チェーンズ・多人数拡張」では、終端カードの取り合いというある種陣取りゲーム的な要素を盛り込んだため、人数が増えてもそこまで戦略性を損なうことがありません。したがって、初心者とゲーマーが一緒に混ざっても皆でワイワイ楽しめるゲームになっているかと思います。

チェーンズ・多人数拡張の写真その1

上の写真がゲーム序盤のプレイ風景です。場の中央に整列しているのが終端カードになります。これを取り合うのが目的です。ちなみに、ペアーズと違うデッキが一つ混ざっていますが気にしないでください^ ^

チェーンズ・多人数拡張の写真その2

ゲーム中盤の様子。大分終端カードが取られて無くなってきました。既に打ち止めされたカードは裏返しになっています。

それでは以下にルールを挙げておきます。前回ご紹介したソリティアルールとの差分を中心とした記述になっていますので、適宜そちらのルールを参照しつつ読んでください。

【プレイヤー数】
2人以上なら何人でも(ベストは3〜5人)

【ゲームの概要】
ペアーズで遊ぶソリティア「チェーンズ」を多人数で同時対戦できるよう拡張したルール。通常のソリティアルールに加え、得点となる終端カードの取り合いが新たなインタラクションを生み出す。

【使用するコンポーネント】
プレイ人数分のペアーズデッキ(例えば、4人なら4組)。
プレイヤーごとに異なる絵柄のデッキを使用すると混ざらなくて良い。

【ゲームの目的】
10-9-8-7-6…のようにカードを繋いで長さの異なる10種類の組を作っていき、捨て場に移動させることで得点化する。長く繋いだ組ほど点数が高い。全員がどのアクションも実行できなくなるまで手番を回し、最終的に最も得点の高いプレイヤーが勝利する。

【プレイする場の説明】
•終端カード置き場は場の中央に全員で共有し、各プレイヤーで1から10まで昇順に並べた後、きれいに整列させる(前掲の写真を参照)。他の置き場はプレイヤーごとに自分の前の場に設定する。

•一時置き場は5スロット固定(上級ルール無し)。

【ゲームの準備】
•ソリティアルールと同じことを各人で行う。

【ゲームの進め方】
•時計回りの手番制でゲーム進行。スタートプレイヤーはじゃんけんなどで適当に決める。

•自分の手番が来たら、以下の4アクションから1つ選択して実施する。各アクションの詳細はソリティアルールと同じ。

①自分の山札の一番上のカードを1枚めくり、自分の作業場に置く。
②自分の山札の一番上のカードを1枚めくり、自分の一時置き場に置く。
③自分の一時置き場にあるカードを1枚選んで取り、自分の作業場に置く。
④終端カード置き場にある自分のカードを1枚選んで取り、自分の作業場に置く。そして、自分の作業場にある全てのカードを自分の捨て場に移動させる。

•上記のうち②か④を実施したら手番が左隣に移る(①か③の場合は手番継続)。

•終端カード置き場にある10のカードは、他のカードより先に取ってはいけない(終端カード置き場にある1〜9のいずれかのカードを1枚でも取れば、その後は自由に取って良い)。

•終端カード置き場にある同数字のカードについて60%以上のカード(例えば4人プレイなら4枚中3枚)が取られたら、残りのカードは打ち止めとなり、これ以降取れなくなる(残ったカードは裏向きにすること)。ただし例外として、2人プレイの場合は2枚中1枚のカードが取られた時点で打ち止めとする。なお、打ち止め判定は1〜10のそれぞれの数字ごとに別々に行われる。
[参考]人数別早見表。下記の枚数が取られたら打ち止め。
2人: 1枚
3人: 2枚
4人: 3枚
5人: 3枚
6人: 4枚
7人: 5枚
8人: 5枚
9人: 6枚
10人: 6枚

•作業場にあるカードがもう得点化できないことが確定した場合、直ちに作業場のカードを全てまとめて裏に向け、捨て場の隣に移動させる(このカードは点数にならない)。次の手番では、作業場が空の状態でゲームを続ける。

•これ以上アクションを実行できないか、または得点化できる終端カードが無くなったプレイヤーは直ちにゲームから抜け、残ったプレイヤーでゲームを続ける。

【ゲームの終了】
プレイヤー全員がこれ以上アクションを実行できなくなったら終了。

【点数計算】
•自分の捨て場にある終端カードの枚数を数えて点数を集計する。終端カードの種類により、1枚あたり以下のような点数が加算される。
1: 5点
2,3,4: 3点
5,6,7: 2点
8,9,10: 1点
[例]Aさんはゲーム終了までに終端カード1と4と8と9を自分の捨て場に移動させていた。この場合、Aさんは5+3+1+1=10点を獲得する。

【勝敗の決定】
•合計点が最も大きいプレイヤーが勝利する。同点の場合は、取れなかった終端カードのうち最も数字が小さいカードを比べ、より数字が大きいプレイヤーが勝利。それも同点なら、該当プレイヤー同士で勝利を分かち合う(パーフェクトが複数人いた場合も同様)。

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