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「ザ・トリテ」デザイナーズ・ノート(前編)

Trick-taking games Advent Calendar 2015の企画にて応募した「ザ・トリテ」ですが、おかげさまで多くの方にプレイしていただき、好評を博すことができました。ここで、創作の経緯などを記録として残したいと思います。「何でこんなヘンテコなゲームを作ったのか?」と疑問に思われた方もいらっしゃるようなので、作者の意図したところなどもお伝えできればと思います。

2015年12月上旬、練馬おやこボードゲームの会 主催者のゆうりさんがマストフォロー練習トランプの創作ゲーム公募を告知されているのを見たのは、まったく偶然のことでした。その頃、私はゲームファーム等でトリックテイキングゲームの地平の広大さを目の当たりにし、衝撃を覚えていたところでした。そこで、もっと面白いトリックテイキングゲームはないのか?と検索していたところ、国内では最近、トリックテイキングがちょっとしたブームになっていることが分かりました。そして、トリックテイキングの話題に特化したAdvent Calendarも発見し、そこで投稿されているゆうりさんの記事を楽しみつつ読んでいました。その頃はまだ「マストフォロー練習トランプ?何それ?」という状態だったのですが、読んでいくと、なかなか魅力的なコンポーネントであることが分かってきました。そして、「ただのトランプではできないゲームが、このトランプならできるかもしれない」という気になってきました。私にとっては、かなり創作意欲をそそられるコンポーネントだったのです。記事によると、マストフォロー練習トランプを使った創作ゲームを公募しているとのこと。しかも、タダでマストフォロー練習トランプがもらえる、とあったため、物欲半分で私の脳はフル回転しました^ ^ 「スートだけは相手に見えてるのか〜。じゃあ、いっそのこと協力ゲームにしちゃえばいいや!協力型トリックテイキングゲーム!じゃっそれで!」この間、およそ15秒程度。こと、このゲームに限っては最初のひらめきが全てです^ ^ 私はすぐにメールで連絡し、マストフォロー練習トランプを取り寄せることにしました。

モノは12月中に届きました。それまでに、具体的にどのようなゲームにしようか頭をめぐらせていました。私は、トリックテイキングゲームの面白さ(の一つ)はトリックを取る/取らないのコントロールの楽しさだと思っています。そして、全体で何トリック取るか?といったことをある程度思い通りに実現できたら気持ちいい、といった感じを持っています。そこで、一人一人があるミッションをもってトリックテイキングに臨む、といった基本フレームが形作られました。しかし、全員が同じトリック数を取るミッションというのも何か面白くない。というのも、パンデミック以降の協力ゲームにおける繁栄のカギは「プレイヤーごとに異なる能力を駆使した役割分担」にあると私は思っていました。それにより、一人一人の存在価値が際立つばかりか、繰り返し遊んだ時のプレイ感の多様性に繋がっていくのです。翻って、全員が同じトリック数を取るミッションだと、多くのプレイヤーは2、3回プレイしてすぐ飽きてしまうでしょう。そこで私は、「きれいな階段状に異なるトリック数を皆で取ることを目指す」といったミッションを思いつきました。これで全員が異なる目標を協力してクリアすることになり、毎回異なるゲームが楽しめる、というわけです。ただし、これだけでは簡単過ぎるかも、という思いもありました。また、4人で均等に配ると一人当たり13枚になり、きれいな階段状になりません。そこで、12トリックまでで終了し、残りの1枚で何か新たなミッションを付け加えることにしました。そこでもう一つ重要視したのが、「ミッションの納得性」でした。適当なミッションを作ることはいくらでも出来ますが、それだけでは多くのプレイヤーが納得してミッションクリアを目指すことはないでしょう。多くのプレイヤーが納得する目標、それはコンプリートではないか?と考えました。そこで、「最後に残った札4枚が全4スートでコンプリートとなる」ことをもう一つのミッションとしました。これで合計12トリックできれいな階段状にもなり(4人なら6, 4, 2, 0ですし、3人なら8, 4, 0です)、一石二鳥となりました。あと、ザ・ゲームでお馴染みの「手札の数字情報喋っちゃダメ。でも他は相談OK」のルールは絶対に入れたいと思っていました。これで、もどかしいながらも楽しい会話が繰り広げられることでしょう。やはり協力ゲームは、皆であーでもない、こーでもない、とワイワイ相談するのが一番楽しいですから!

私は早速、仲間うちでテストプレイをしました。最初にプレイした時は3人でしたが、想像以上に面白く遊べました。1回目から面白いというのは、私にしては珍しいことでした^ ^ しかし、初めはなかなか成功せず、勝率を上げるべく皆で必勝法を議論しました。そのうち、かなりセオリーが見えてくるようになり(スペードのAを持っているプレイヤーは絶対に0トリックにできない等)、勝率は徐々に上がっていきました。

(後編に続く)

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