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【コラム】キングドミノのお仕事問題を解消するヴァリアントルール

過去記事リスト:
◼︎創作トランプゲーム
35(Thirty five): 山札の上から1枚ずつめくっていき、ランクの合計が5の倍数になるようにして点数を稼ぐゲーム。自由に使える手札もうまく組み合わせて、合計35になれば最高得点ゲット!

ヘッド&テール: 1位とビリになってはいけないトリックテイキングゲーム。ほどよくトリックを取るとともに、1位かビリになりそうなプレイヤーにうまく自分のカードを送り込んで高得点を目指す。

コンドル・ホイスト: 前半は一斉入札のオークションで強い札を取り合い、後半は前半で獲得した札を用いてトリックテイキングを行う。後半で相手より多くのトリックを取ることを目指す。

ラスト・サバイバー: ラウンドごとにトリックを取れなかったプレイヤーは脱落していき、最後に残ったプレイヤーがポットに溜まったチップを総取りするトリックテイキングゲーム。後のラウンドほど払うべきチップが倍々に増えていくので注意!次ラウンドの手札とのカード交換を利用して0トリック獲得を目指すことで早めにおりることも可能。

“王と枢機卿”風トランプ: M. シャハトの代表作「王と枢機卿」のゲームシステムをトランプで忠実に再現。

オン・スケジュール: 切り札にしたい札を順番に合計13回投票していき、ランダムに並べた順で切り札スートが決まるペア戦トリックテイキングゲーム。ゲーム後半は得点が2倍になるチャンスも。

モジュロ: 獲得トリック数をビッドした数で割って余り1にすることを目指す3人用トリックテイキングゲーム。ビッドによってリスクコントロールできるのが特徴。

ソーサラー: 各自、自分とダミーハンドそれぞれの獲得トリック数をビッドし、的中すれば得点が得られるトリックテイキングゲーム。

リバーサル・トリック: 神経衰弱とトリックテイキングを融合させたゲーム。場に並べられた裏向きの札から、より多くの札を取っていくことを目指す。

ラッキー・キューブ: 1個のサイコロをトリックテイキングのプレイで取り合い、最終的にそのサイコロを所持するプレイヤーが、出ている目の数だけ得点できるトランプゲーム。

捏造ポーカー: ポーカーの役を利用したブラフゲーム。時計回りの順でポーカーの役を吊り上げていき(ウソをついても良い)、隣プレイヤーのウソを見破ることで勝利点を手にできる。いち早く規定の勝利点を獲得するか、脱落せずに最後の一人まで残ったプレイヤーが勝利する。

トリッキーエクスプレス 〜Trick-taking games Advent Calendar 2016に参加しました〜: 自分だけの特急電車の停車駅を決めていくのがテーマのトリックテイキングゲーム。トリックの勝負が決まるごとに、勝ったプレイヤーは自分の色の駅カードを場の中央に出し、順番に一列に並べていく。そうして出来た共通の路線マップで、できるだけ長い通過駅区間を作ることを目指す。

アルセーヌ 〜Trick Taking Partyゲーム賞に応募しました〜: シンプルなノンビッド系のトリックテイキングゲーム。宝石店を模した5枚のダイヤ札の上にあるチップを取り合う。ただし、同じ宝石店に複数人が一度に盗みに入った場合はお見合いとなり、どのプレイヤーもチップを獲得できない。また、チップが枯れてしまった宝石店に入るとポリスに捕まり、所持チップを全て没収された上、ゲームは終了してしまう。

◼︎創作カードゲーム
キャンセレーション・ニムト: ニムトのヴァリアント。通常ルールと同様、できるだけ失点カードを取らないようにするのが目的だが、同時に同じ数字の札が出た場合は両者相殺されて失点を逃れられる。

ストリームス・デラックス: ストリームスのヴァリアント。事前に取った各自の手玉2個を駆使して高得点を目指す。コンポーネントを豪華なビンゴマシンにすれば面白さはぐんとアップ!

シェフィーズ: シェフィの多人数ヴァリアント。各プレイヤーに配分された手札から順番にカードを出していき、皆で協力して規定のラウンド内に1匹の羊を1000匹まで増やすことを目指す。

ツインシュート 〜TENNOSオリジナルルールコンテストに応募しました〜: 2 人 1 組のチームになって高得点を競う、マストフォローのトリックテイキング ゲーム。2 人がプレイしたカードの組み合わせに従ってその後のフォローの仕方が決まる。 個々人で自分の獲得トリック数を予想し、うまく的中すれば得点できるが、チームメイト 2 人が同時に的中することでさらに高い点を獲得できる。

ドミヌクセン: ドミノで遊ぶアブルクセン。本家のアブルクセンにほぼ準拠したルールで、ドミノ牌ならではの派手な展開が楽しめる。

チェーンズ 〜(実は)ペアーズ・ルールデザインコンテストに応募してました〜: ペアーズで遊ぶソリティア。山札から1枚ずつドローして、数字1つ違いのペアで繋いだカードの組み合わせ(ラミー系のゲームで「ラン」と呼ばれるもの)10種類を全て作り上げることを目指す。

チェーンズ・多人数拡張: ペアーズで遊ぶソリティア「チェーンズ」を多人数で同時対戦できるよう拡張したルール。通常のソリティアルールに加え、得点となる終端カードの取り合いが新たなインタラクションを生み出す。

◼︎創作ボードゲーム
シンクロギャモン: サイコロを使わず、カードをプレイして駒を進めるペア戦バックギャモン。パートナーとうまく息が合えば、より多く駒を進めることも可能。

◼︎その他
「ザ・トリテ」デザイナーズ・ノート(前編)

「ザ・トリテ」デザイナーズ・ノート(後編)

【コラム】私はなぜトランプゲームを創作するのか?

【コラム】ゲームタイトル付けるのってほんと難しい 〜「ザ・トリテ」命名を巡って〜

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35(Thirty five)のルールを一部改定しました

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【コラム】「ゲシェンク」を3倍(くらい)楽しくする方法

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【コラム】キングドミノのお仕事問題を解消するヴァリアントルール

【コラム】キングドミノのお仕事問題を解消するヴァリアントルール

キングドミノヴァリアント


常に読者の意表を突いてくる地味ゲー・セレクションで定評のある(?)このブログですが、今回はあえてその期待を外し、今一番タイムリーかつメジャーなタイトルをご紹介したいと思います。そうです、2017年のドイツ年間ゲーム大賞を勝ち取った「キングドミノ」です!どうやら大勢の予想通りの結果だったようですが、それだけこのゲームが秀でていたということでしょう。実際私もかなり楽しんでプレイできました。しかし、非常にシンプルなルールのためか、ゲーマー層にはやや物足りなく感じているようです。中でも最も象徴的な問題点としていわゆる“お仕事”をしなくてはならない場面があることが指摘されています。

Table Games in the Worldの記事によると、お仕事とは「やりたくないのに、状況的にトップのプレイヤーを妨害しなければならない一手」を指しているようです。場の雰囲気に強制され、そのような自己犠牲の一手を強いられるようなことがあると言われています。これはキングメーカー問題と並んで厄介なマルチゲーム特有の問題と言えましょう。もちろんこのような一手が結果的に自分の逆転勝利につながることもあるわけなので、一概に否定されるべきものではありません。しかし、このような状況が頻繁に目につくようになると、ゲームをやってても楽しくないと感じてしまいます。特に、トップ以外に2人以上の複数プレイヤーがいるとして、それらのどのプレイヤーがお仕事しても結果は一緒である場合に、では誰がそのお仕事をやるべきかが決まらない状況というのはあり得ます。自己犠牲的な一手ですから、お仕事をしたプレイヤーはトップ争いに多少なりとも遅れをとってしまうでしょう。このような状況は好ましくありませんから、ルールによってその状況をなるべく生まないよう矯正してあげるべきだと思います。

その考え方に基づき、今回はキングドミノのお仕事問題を解消するヴァリアントを考案しました。完全ではないかもしれませんが、テストプレイではかなりの効果が認められたので報告します。本ヴァリアントのキモは、基本ルールであまり使われない2個目のコマの有効活用です。この2個目のコマを他人の王国にある任意の領域に置くことができます。カルカソンヌでミープルを街や草原に置く時のあの感じです。これで、その領域から得られる点数を他プレイヤーも便乗して得られるようになります。この便乗ルールにより、一人のプレイヤーが大量得点を独占するようなことは少なくなるため、結果としてお仕事をしなくてはならない場面が減るというわけです。また、見方を変えればこの便乗もお仕事プレイの一形態と言えますが、自分の不利益となるタイルをあえて取りに行くより明らかに自分の得になっていますから、よっぽど健全です。その代わり、便乗コマは一つながりの領域に対し1個だけしか置けません。つまり他プレイヤーよりも素早く大量得点されそうな領域を察知して押さえてしまう必要があるわけです。しかし早く置きすぎると読みが外れてしょぼい点数しか得られない可能性もありますから、的確な予測が勝負を分けることになるでしょう。

ルールのシンプルさという美点を損ねない程度のヴァリアントで、上級者も満足できる戦略性が追加できたのではないでしょうか?是非一度お試しください。

【キングドミノ 便乗ヴァリアントまとめ】
•本ヴァリアントは3人プレイまたは4人プレイに限る。
•ゲームの準備において、各自の色のコマを2個ずつ持つ。そのうち1個は基本ルール同様、新たなタイルを選択するのに用い、もう1個は他プレイヤーが作っている王国のタイル上に乗せて領域のポイント獲得に便乗するのに用いる(以降は「便乗コマ」と呼ぶ)。
•便乗コマは、手番が自分に回ってきたタイミングで、その都度使うかどうかを決定する。便乗コマを使うならば、手番のアクション実行前に、他プレイヤーが形成している王国のうち同じ地形で一つながりになっている任意の領域に自分の便乗コマを置く。ただし、既に他のプレイヤーに置かれてしまっている領域には置くことができない(一つながりの領域に対し置ける便乗コマは一つだけ)。
•一度置いてしまった便乗コマは他の領域へ移動させたり手元に戻すことはできない。
•自分の王国の領域に自分の便乗コマを置くことはできない。
•ラウンド終了後の点数計算では、自分の王国の領域獲得ポイントとは別に、自分の便乗コマが置かれた他プレイヤーの領域獲得ポイントも加算される(加算されるのは便乗コマが置かれた一つながりの領域のポイントのみ)。

チェーンズ・多人数拡張

前回ご紹介したペアーズのソリティア「チェーンズ」ですが、これは私の大好きなゲーム「スパイト&マリス(スキップ・ボー)」から着想を得て創作したオリジナルゲームでした。今回は、それを多人数で遊べるように拡張したルールになります。しかも、1人1デッキのペアーズがあれば原理的に無限の人数で遊べる衝撃のルールです^ ^ 1人1デッキで遊ぶゲームとしては、私の知る限り、R・クニツィア作のトランプゲーム「ポートランド」に続く史上2作目のゲームになるかと思います(真偽のほどは定かではないですが)。

考えてみれば、スパイト&マリスは2人用ゲームだし、そこからのインスパイア作品であるチェーンズが多人数拡張されるのはある意味当然の帰結と言えるかもしれません。しかし私は、多人数化にあたり独特のインタラクションが生じるようルールに工夫を施しました。すなわち、各終端カードに重み付きの点数を与え、それを取り合うゲームに変更したのです。ゲーム中、終端カードに記載の数字ごとに残り枚数を管理し、規定枚数を下回ったら打ち止めになります。つまり早い者勝ちの争奪戦です。これにより、いつでも取れそうな点数の低いカードをいつ取るか見定めつつ、高得点のカードを狙って我慢しなければなりません。しかし我慢し過ぎると遂には一時置き場が一杯になってしまい、高得点のカードがごっそり取れなくなってしまう危険もあります。そのため、まるでチキンゲームのような様相となり、いろんな所から悲鳴が飛んでくることでしょう。ソリティアにはなかった、他プレイヤーとの駆け引きがゲームに立体感を与え、戦略性がより一層増したように感じます。

スパイト&マリスの多人数版とも言える「スキップ・ボー」では極めてナイーブなルール拡張により、3人以上でも遊べるよう改良されていますが、その副作用として、スパイト&マリス独特の意地悪プレイがあまりできなくなってしまいました。そのため、人数が多いほどパーティゲーム的(出たとこ勝負の運ゲー)になってしまったのが残念なところです。一方、「チェーンズ・多人数拡張」では、終端カードの取り合いというある種陣取りゲーム的な要素を盛り込んだため、人数が増えてもそこまで戦略性を損なうことがありません。したがって、初心者とゲーマーが一緒に混ざっても皆でワイワイ楽しめるゲームになっているかと思います。

チェーンズ・多人数拡張の写真その1

上の写真がゲーム序盤のプレイ風景です。場の中央に整列しているのが終端カードになります。これを取り合うのが目的です。ちなみに、ペアーズと違うデッキが一つ混ざっていますが気にしないでください^ ^

チェーンズ・多人数拡張の写真その2

ゲーム中盤の様子。大分終端カードが取られて無くなってきました。既に打ち止めされたカードは裏返しになっています。

それでは以下にルールを挙げておきます。前回ご紹介したソリティアルールとの差分を中心とした記述になっていますので、適宜そちらのルールを参照しつつ読んでください。

【プレイヤー数】
2人以上なら何人でも(ベストは3〜5人)

【ゲームの概要】
ペアーズで遊ぶソリティア「チェーンズ」を多人数で同時対戦できるよう拡張したルール。通常のソリティアルールに加え、得点となる終端カードの取り合いが新たなインタラクションを生み出す。

【使用するコンポーネント】
プレイ人数分のペアーズデッキ(例えば、4人なら4組)。
プレイヤーごとに異なる絵柄のデッキを使用すると混ざらなくて良い。

【ゲームの目的】
10-9-8-7-6…のようにカードを繋いで長さの異なる10種類の組を作っていき、捨て場に移動させることで得点化する。長く繋いだ組ほど点数が高い。全員がどのアクションも実行できなくなるまで手番を回し、最終的に最も得点の高いプレイヤーが勝利する。

【プレイする場の説明】
•終端カード置き場は場の中央に全員で共有し、各プレイヤーで1から10まで昇順に並べた後、きれいに整列させる(前掲の写真を参照)。他の置き場はプレイヤーごとに自分の前の場に設定する。

•一時置き場は5スロット固定(上級ルール無し)。

【ゲームの準備】
•ソリティアルールと同じことを各人で行う。

【ゲームの進め方】
•時計回りの手番制でゲーム進行。スタートプレイヤーはじゃんけんなどで適当に決める。

•自分の手番が来たら、以下の4アクションから1つ選択して実施する。各アクションの詳細はソリティアルールと同じ。

①自分の山札の一番上のカードを1枚めくり、自分の作業場に置く。
②自分の山札の一番上のカードを1枚めくり、自分の一時置き場に置く。
③自分の一時置き場にあるカードを1枚選んで取り、自分の作業場に置く。
④終端カード置き場にある自分のカードを1枚選んで取り、自分の作業場に置く。そして、自分の作業場にある全てのカードを自分の捨て場に移動させる。

•上記のうち②か④を実施したら手番が左隣に移る(①か③の場合は手番継続)。

•終端カード置き場にある10のカードは、他のカードより先に取ってはいけない(終端カード置き場にある1〜9のいずれかのカードを1枚でも取れば、その後は自由に取って良い)。

•終端カード置き場にある同数字のカードについて60%以上のカード(例えば4人プレイなら4枚中3枚)が取られたら、残りのカードは打ち止めとなり、これ以降取れなくなる(残ったカードは裏向きにすること)。ただし例外として、2人プレイの場合は2枚中1枚のカードが取られた時点で打ち止めとする。なお、打ち止め判定は1〜10のそれぞれの数字ごとに別々に行われる。
[参考]人数別早見表。下記の枚数が取られたら打ち止め。
2人: 1枚
3人: 2枚
4人: 3枚
5人: 3枚
6人: 4枚
7人: 5枚
8人: 5枚
9人: 6枚
10人: 6枚

•作業場にあるカードがもう得点化できないことが確定した場合、直ちに作業場のカードを全てまとめて裏に向け、捨て場の隣に移動させる(このカードは点数にならない)。次の手番では、作業場が空の状態でゲームを続ける。

•これ以上アクションを実行できないか、または得点化できる終端カードが無くなったプレイヤーは直ちにゲームから抜け、残ったプレイヤーでゲームを続ける。

【ゲームの終了】
プレイヤー全員がこれ以上アクションを実行できなくなったら終了。

【点数計算】
•自分の捨て場にある終端カードの枚数を数えて点数を集計する。終端カードの種類により、1枚あたり以下のような点数が加算される。
1: 5点
2,3,4: 3点
5,6,7: 2点
8,9,10: 1点
[例]Aさんはゲーム終了までに終端カード1と4と8と9を自分の捨て場に移動させていた。この場合、Aさんは5+3+1+1=10点を獲得する。

【勝敗の決定】
•合計点が最も大きいプレイヤーが勝利する。同点の場合は、取れなかった終端カードのうち最も数字が小さいカードを比べ、より数字が大きいプレイヤーが勝利。それも同点なら、該当プレイヤー同士で勝利を分かち合う(パーフェクトが複数人いた場合も同様)。

チェーンズ 〜(実は)ペアーズ・ルールデザインコンテストに応募してました〜

昨年いくつかのゲームコンペに応募していたのですが、一つご報告をしていなかったものがありました。それは、テンデイズ・ゲームズ主催の「ペアーズ・ルールデザインコンテスト」です。2016年5月、6月、7月と3期にわたる公募が行われ、かなりの応募作が集まったそうです。私は入選作が決まった後に(たとえ落選したとしても)、応募したゲームを公開しようかと思っていました。ところが、待てど暮らせど私の作品は審査されず、徒らに日が経ってしまいました。そして、2017年4月現在も未審査の状況。。(ー ー; 今から思うと、この処遇も仕方なかったことなのかもしれません。なぜなら、他の応募作に埋もれないために徹底してヒネくれた作品を応募したからでした。

まず、多くの応募作が複数人数向けであろうことを想定し、あえてプレイヤー人数を1人専用としました。トランプで言う“ソリティア”です。今回のコンペでは多種多様なルールが複数採用される可能性が高く、ソリティアならまずかぶらないから採用され易いだろうという考えでした。また、今回のコンペでは、

「カードを引いたり、めくったり、出すことによって二枚一組のペアができる」という要素と、それに伴うゲームとしての展開を必ず含めてください。

という制約条件がありました。しかしここで、私は「ペア」という概念を意図的に拡大解釈しました。すなわち、「数字が1つ違いの2枚組」も広義のペアと見なしたのです。ソリティアはともかく、この逸脱はレギュレーションの点でアウトになる可能性が十分ありました。しかし私は、作品のユニーク性を担保するために、あえてこれを断行しました。いやぁ、これでは後回しにされて当然ですよねσ^_^;

さて、ゲームの概要は、山札から1枚ずつドローして、数字1つ違いのペアで繋いだカードの組み合わせ(ラミー系のゲームで「ラン」と呼ばれるもの)10種類を全て作り上げるというシンプルなものです。これが簡単そうに見えてなかなか難しいのです。ひとつ手順を間違えるとそれが後々まで響き、遂にはゲームが詰んでしまいます。一時置き場への配置方法をうまく考えることと、適切なタイミングでランを確定させることが勝利ポイントとなるでしょう。中盤以降はかなり苦しい戦いを強いられますが、あるところで一気に問題解決されて楽になる時もあります。この時の気持ち良さは筆舌に尽くし難いものがあります(例えるなら、便秘が解消された時のあの感じ?)。そして、全てのカードが片付いた時の“やり切った感”もまた格別です。

既に定番化したソリティアの名作「シェフィ」のように、広く愛されるゲームにならんことを願います。

【タイトル】
チェーンズ

【プレイヤー数】
1人

【ゲームの概要】
ペアーズで遊ぶソリティアです。山札から1枚ずつドローして、数字1つ違いのペアで繋いだカードの組み合わせ(ラミー系のゲームで「ラン」と呼ばれるもの)10種類を全て作り上げることを目指します。

【使用するコンポーネント】
ペアーズデッキ1組

【プレイする場の説明】
チェーンズの図


上図のような場をテーブル上に設定してプレイします(上図は初級モードでのプレイ途中の様子です)。
•終端カード置き場: 終端カード(後述)が置かれる場所です。
•山札置き場: 山札が置かれる場所です。
•作業場: カードを繋いで組を作る作業を行う場所です。作業場は1スロットしか用意されません。
•一時置き場: 作業場に置けないカードを一時的にストックしておく場所です。モードの種類により以下のような数の置き場所が用意されます。
 初級モード → 5スロット
 上級モード → 4スロット

•捨て場:出来上がったカードの組を捨てる場所です。

【ゲームの目的】
10-9-8-7-6…のようにカードを繋いで長さの異なる10種類の組を作っていき、山札のカードと終端カードを全て捨て場に移動させることを目指します。

【ゲームの準備】
•ペアーズのデッキから1〜10のカードをそれぞれ1枚ずつ取り出し、全て終端カード置き場に表向きに並べて置きます(これらを終端カードと呼びます)。終端カードはカードの繋がりの終端として用います。
•残り45枚のカードをよくシャッフルし、裏向きに重ねて山札置き場に置きます。

【ゲームの進め方】
•以下の3種類のアクションのいずれか1つを選択し、実行します。それ以降も同様にこの選択、実行を繰り返します。

①山札の一番上のカードを1枚めくり、作業場もしくは一時置き場に置く。
作業場に置く場合は、既に置かれているカードの上に重ねて置きます(何も置かれていない場合は新たに置きます)。ただし、既に置かれている一番上のカードの数字より1だけ小さいカードしか置けません。また、何も置かれていない場合は10のカードしか置けません。
一時置き場に置く場合は、既に置かれているカードの上に、縦に少しずらして置きます(下のカードの数字が見えるようにします)。その際、既に置かれているカードの数字に関係なく、どの数字のカードも置くことができます。もし未使用のスロットがあれば、新たにその場所に置いても構いません。ただし、一時置き場のスロット数を超えて新たな場所に置くことはできません。

②一時置き場にあるカードを1枚選んで取り、作業場に置く。
ただし、作業場には既に置かれている一番上のカードの数字より1だけ小さいカードしか置けません。また、何も置かれていない場合は10のカードしか置けません。また、一時置き場から取ることができるカードは、各スロットの一番上のカードのみとなります。

③終端カード置き場にあるカードを1枚選んで取り、作業場に置く。そして、作業場にある全てのカードを捨て場に移動させる。
ただし、作業場には既に置かれている一番上のカードの数字より1だけ小さいカードしか置けません。また、何も置かれていない場合は10のカードしか置けません。一方、終端カード置き場からはいずれのカードも自由に取ることができます。
カードを捨て場に移動できるアクションは③だけであることにご注意ください。

【ゲームの終了】
山札が全て尽き、これ以上アクションを実行できなくなったら終了です。

【勝敗の決定】
ゲーム終了時、全てのカードが捨て場に移動していたら、あなたの勝ちです。そうでない場合は、終端カード置き場に残った終端カードの枚数だけ失点となります(カードの数字は関係ありません)。もし勝てないことが途中で分かっても、失点が最小限になるよう最後まで頑張りましょう。

ドミヌクセン

ドミヌクセン

私は今までドミノのゲームに全く触れてこなかったのですが、昨年ついにW12ドミノを購入しました。メキシカントレインというゲームがやってみたくて取り寄せたのです。しかし、ちょっと運要素が強過ぎたのか、うちのメンツにはややイマイチな反応でした。それ以来、ずっと押入れの中に埋もれていたのですが、折角買ったこのコンポーネント、何か別のゲームでも遊びたいなと思いました。ドミノはもともと汎用コンポーネントなため、遊び方はかなりあるだろうと思っていました。しかし調べてみるとW6やW9用のドミノゲームが大半を占めており、W12を使うゲームはほとんど皆無という状況だったのです。無駄に多くてかさばるW12ドミノの入ったブリキ缶を抱え、さてどうしたものかと遠い目をしていたところ、突如一つのアイデアが降りてきました。「ドミノでアブルクセンやったら面白いんじゃない?」

アブルクセンは2014年に発表された、比較的新しいゲームです。トランプの大富豪に似ていますが、そこにドイツゲーム風の味付けがされており、非常に奥深く、戦略的にも楽しめるゲームになっています。作者はクラマー&キースリング。同作者の6ニムトに続く超名作カードゲームとして今もかなりの人気を博しています。実は、アブルクセンとW12ドミノはカード構成がかなり似ているのです。アブルクセンは1〜13の13種類の数字が書かれたカードなのに対し、W12ドミノは0〜12の13種類の数字が書かれた牌で構成されています。アブルクセンでは同じ数字を沢山集めてまとめて出すのがメイン戦略なのですが、W12ドミノも同じ数字が付いた複数の牌があるため、カードの代わりにドミノを使って同じように遊んでもうまく機能しそうです。そう考えて試したところ、アブルクセンとはまた違った味わいがあり、非常に楽しめました。アブルクセンと違って一つの牌に数字が2種類ついているので、一つの牌について2通りの使い方ができるわけで、どちらの数字として使うか、そこでちょっとしたジレンマが生まれます。また、一気に12枚出しなどアブルクセンでは絶対起きないような派手な展開も場を盛り上げてくれます。

ルール的にも、ほぼアブルクセンのままでいけます。最初の手牌13枚、場にオープンにする牌6枚もそのままの数で大丈夫です。手牌から自分の場にプレイする際は、同じ数字を全て自分から遠い方に向けて揃えて出すようにします。そして、スナッチ(攻撃)はプレイヤーから遠い方の数字が常に対象となり、プレイヤーから近い方の数字は全て無視されます。

一つだけバランス調整のため加えたのが、「0の数字は1から11までのどの数字よりも弱いが、12に対してだけ例外的に0の方が強い」というルールです。これがあることによって、12が常に最強というわけではなくなるため、12のセットを出しても油断できなくなります(本家アブルクセンではワイルドカードのXを13より強い数字としても使えるようにすることでバランスをとっているようです)。

運要素強めの伝統ゲームが割と多いドミノゲームの中で、「ドミノ」×「アブルクセン」=「ドミヌクセン」は貴重な戦略ゲームとして独自の存在感を示すやもしれません。W12ドミノをお持ちの方は(というか、W12ドミノ持ってる人自体少なそうですが)、是非遊んでみてくださいね。

以下にルールの詳細をまとめますが、本家ルールとの差分を中心に説明します。本家ルールの和訳はまだWebにも出回っていないようなので、たっくんのボードゲーム日記など、分かり易いレビューサイトで確認すると良いでしょう。また、慣れてきたら一緒に掲載した選択ルールを加えるとよりドミノらしさが出て楽しさが増します。冒頭の写真は選択ルール付きでのプレイ風景です。

【ゲームの概要/目的】
ドミノで遊ぶアブルクセン。本家のアブルクセンにほぼ準拠したルールで、ドミノ牌ならではの派手な展開が楽しめる。

【使用するコンポーネント】
•W12ドミノ1セット

【プレイ人数】
3〜4人(5人は枚数的にちょっと厳しい…)

【ゲームの準備】
•本家ルールと同様、手牌13枚を配り、場の中央に6枚オープンにし、残りを裏向きにまとめて場の中央に置く。

【遊び方】
•ゲームの流れは本家ルールと同じ。ただし、牌に振られている2種類の数字はどちらを使っても良い(もう一方の数字は無視される)。
•手牌から自分の場にプレイする際は、同じ数字を全て自分から遠い方に向けて揃えて置くようにすること。自分の場に前回プレイした牌が残っている場合は、その前(プレイヤーから遠い方)に順番に並べて置いていくこと。スナッチ(攻撃)は自分から一番遠いセットが対象となる。
•1枚で出す場合も、プレイしたい方の数字を自分から遠い方に向けて置くこと。
•スナッチ(攻撃)はプレイヤーから遠い方の数字が常に対象となる(プレイヤーから近い方の数字は全て無視)。
•本家ルールと同じく、数字が大きいほど強い。ただし、12に対してだけ例外的に0の方が強い。
•ワイルドカードは無し。

【点数計算】
•本家ルールと同じ(自分の場にある牌は1枚あたりプラス1点。自分の手札に残った牌は1枚あたりマイナス1点)。

【ゲームの終了】
•本家ルールと同じ(誰か一人の手牌が無くなるか、場の中央にある牌が全て無くなったら即終了)。

【選択ルール】
•ダブル牌(0-0、1-1など、同じ数字が振られた牌)は1枚で2枚分として自分の場にプレイできる(他の牌に対し垂直に置くと区別し易い)。他の牌と同じく、1枚で1枚分として出しても良い。
•ダブル牌がスナッチされた場合、補充するのはダブル牌1枚あたり1枚で良い(2枚取る必要はない)。
•点数計算時はダブル牌1枚あたり2点と数える(手牌に残った場合はマイナス2点)。